研究概要 |
本研究は,1)ホームヘルパー養成研修により参加者の行動・意識がどのように変容するのかを測定・評価するための枠組みと尺度を開発すること,2)養成研修参加者の肯定的変容を促す具体的な研修手法を測定するための枠組みと尺度を開発すること,3)これらの実践的有用性を検証することの3点を,研究の目的とした。 以上のような研究目的のもと,13の研修実施主体が実施する「ホームヘルパー養成研修」の参加者534人を対象とした調査から得られた計量的データを分析した。分析には,t検定,重回帰分析,因子分析などの数理統計学的手法を用いた。 分析の結果,ホームヘルパー養成研修によって受講生に認められた変容は,ヘルパーとして求められる理念的側面についてのものというよりも,ヘルパーとしての基本的知識や技術や行動姿勢についてのものであることが明らかにされた。また,本研究が開発した新たな効果評価手法が,実践現場での使用において有用である可能性が高いことが示唆された。さらに,ホームヘルパーの変容には,研修実施主体や講師による学習方法上の工夫が少なからぬ影響を及ぼす可能性が高いことが示唆された。 今後は,本研究が開発した効果評価指標をもとに,さらに有効な養成研修プログラムとカリキュラム,さらには教育方法を開発することが課題である。
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