本研究の目的は、<孫育て>(=祖父母世代による孫世代への関わり)という視点から祖父母世代にインタビューと質問紙による調査を行い、孫育てに積極的な人びとのライフスタイルを実証的に把握することにある。 平成15年度は、昨年度に引き続き、兵庫県の加古川市と三木市を主なフィールドとして、子育て支援活動にたずさわる祖父母世代を対象に調査をおこなった。加古川市での対象者は子育て相談センターが主催した「孫育て講座」修了生のうち、子育て支援ボランティアとして登録した10数名である。三木市における調査の対象者は、子育て支援ボランティア活動を行っている祖父母世代のグループリーダーである。ボランティアとして関わるようになった動機やボランティアを始めた前後での生活や心境の変化を中心に、詳しくたずねた。また、聞き取り調査にくわえ、実際の活動に参加して観察調査も行った。質問紙調査については、「兵庫県いなみの学園」高齢者大学講座の受講生250名とその家族を対象に実施した。 研究成果については、日本生活学会「学校5日制次代の子供と高齢者の生活」研究会で口頭発表を行った〔2003年7月20日、於・昭和女子大学〕。また、『高齢者・子ども・親世代が協同で活性化する食育の試み』〔(財)すこやか食生活協会、2004年2月〕に論文としても発表した。
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