研究課題/領域番号 |
13610304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
伴 恒信 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (70173119)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | キャラクターエデュケーション / 道徳教育 / アメリカ合衆国 / カリキュラム / 地域連携 / 教育実践 |
研究概要 |
アメリカでは1983年以来、各地で学力の向上を目的にした教育改革が進められてきたが、90年代に入って学力を向上させるには結局、子供の価値や態度形成に繋がる根源的な教育の改革が必要との認識が広まり、キャラクターエデュケーション(Character Education)がクリントン大統領はじめ民主・共和両党の絶大な支持を受けて教育運動として大きな盛り上がりを見せるようになった。2001年に民主党に代わって政権についた共和党のジョージ・ブッシュ大統領は、大統領就任前のテキサス州知事時代から教育施策に熱心な取り組みを見せており、キャラクターエデュケーションの連邦政策予算も3倍以上に増額して一層の推進をはかった。 本研究では、こうしたキャラクターエデュケーションの全米的展開を鳥瞰するとともに、キャラクターエデュケーションの実践プログラムが実施されている地域や学校を訪れて、教育委員会や学校はどんな役割を果たしているか、地域の如何なる条件がその教育実践活動に寄与し、どのような効果を挙げているかについてフィールド調査を行った。科学研究費補助金の交付を受けた平成13年(2001年)より、研究代表者は都合4回にわたって渡米し、テキサス、バージニア、イリノイ、カリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージーの各州で、キャラクターエデュケーションの各地での実践と地域社会との連携に関して現地調査を行ってきた。そして、各年度ごとに各州教育省、地方教育委員会、学校等のフィールド調査で収録した映像やインタヴューを整理し、一部は社会学のエスノグラフィー的手法によって叙述・分析してきている。 本研究を通して明らかになった成果は、そのままわが国の道徳教育のあり方にも大いなる示唆を与えてくれる。その一つは、道徳教育推進における連邦政府及び州知事のリーダーシップの重要性であり、民主主義社会を支える普遍的な価値を次世代に伝える信念と使命を大人世代が持つ必要性である。また、その道徳教育の責任は地域社会全体にあって、地域社会の様々なリソースを活用しての多彩な活動によって子ども達を真に道徳的に社会化するコミュニティの意味と役割を、アメリカのキャラクターエデュケーションは実際に目に見える形で示してくれているのである。
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