研究課題/領域番号 |
13610306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
土戸 敏彦 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (30113096)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 教育哲学 / 子ども性 / 子ども原理 / <子ども>の残存 / 共生 / 子ども / 遊 / <子ども>性残存 / 教育不可能性 / 差延 / 他者 |
研究概要 |
本研究費補助金によって得られた研究成果を、以下の4点に集約する。 第一に、研究課題に示されている「教育哲学」という概念について吟味し、従来の概念の曖味さを払拭すべく、独創的な定義を試みた。すなわち、「教育哲学」の任務とは、「教育」がもつ前提を受容することなく、かつ「教育」なる事象およびそれがはらむ前提を根本から吟味することである。 第二に、これに基づいて<子ども>および<大人>なる概念の精緻化を行なった。この作業は、見田・河合・谷川『子どもと大人』(岩波書店)で交わされている議論を基底に、子ども性ないし子ども原理としての<子ども>(およびその対照的存在としての<大人>)を析出させている。そのうえで、一人の人間のなかに<子ども>と<大人>が生き、さまざまに活動しており、この均衡および葛藤がその時代や社会特有の諸現象を生み出すと推論している。 すなわち第三に、現代という時代および社会の特徴は、<子ども>の顕著な残存傾向にあり、したがってまた<大人>に対する<子ども>の比率が肥大・漸増していることであり、この見地に立って種々の現象について概括的なレビューを行なった。たとえば、「フリーター」「援助交際」「学級崩壊」などである。 第四の成果として、「共生」という問題をこの<子ども>との関連で追究した点を挙げておく。共生のパートナーは、,同化しえない異質な存在であるが、<子ども>こそが「教育」にとってそのような共生のパートナーではないか。なぜなら、「教育」は徹頭徹尾、<大人>原理に基づいているからである-以上のような問題提起を行なっている。
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