研究概要 |
アメリカにおける大学の大衆化への移行過程を分析したうえで,アメリカの2年制コミュニティ・カレッジ,4年制大学において実施されているファーストイヤー・セミナー関連,学習支援等に関する基本的文献収集をおこない,アメリカの高等教育機関におけるファーストイヤー・セミナーの歴史的背景,補習教育との関連,具体的な学習支援についての基本的事実の整理を実施した。サウスカロライナ大学の一年次教育研究センター(NRC)を訪問し,スチュワート・ハンター博士およびノースカロライナ州にある一年次教育政策研究センターを訪問し,執行所長である一年次教育の全米でのリーダーであるジョン・ガードナー博士,およびベッツィ・ベアフット博士,ランディ・スイング博士等との面談を行い,質問紙のレビューを受けた。その結果を踏まえて,14年11月には全米にある4年制大学1358校を対象に,質問紙調査を実施し,463校から回答を得た。なお,同時に全米の一年次教育(導入教育)で定評のある大学の訪問調査を実施した。訪問した大学は,サウスカロライナ大学,コロムビア校,アパラチアン州立大学,チャールストン大学,ノースカロライナ大学アッシュビル校であり,訪問大学では担当教員への面接調査も実施し,授業も見学した。一連の調査結果は,第一に京都大学での研究会,日本教育制度学会での発表,大学評価機構主催の研究会での発表によって公開されている。なお,研究成果については,文献上でも一部発表している。 訪問調査では,ファーストイヤー・セミナーの歴史,導入の背景,目的,カリキュラム内容,方法論,教員への研修,学生への効果,大学の大衆化過程での学生の変容との関連,外部からの評価,一般教育カリキュラムとの関連性,連続性,現状と問題点,今後の課題等についてNRC研究所の担当者に面接調査をおこなった。これらの調査を集計分析し、他の訪問調査、文献調査結果とあわせて、最終報告書を発行した。
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