研究課題/領域番号 |
13610353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柳田 賢二 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (90241562)
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研究分担者 |
菅野 裕臣 神田外語大学, 外国語学部, 特任教授 (00091231)
鈴木 岩弓 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50154521)
成澤 勝 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00180539)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 旧ソ連 / 高麗人 / ウズベキスタン / ポリトオッジェル / 高麗語 / ロシア語 / アイデンティティ / 墓碑銘 / 国際研究者交流 / ウズベキスタン:韓国 / 言語 / 墓制 / ロシア:ウズベキスタン:韓国 |
研究概要 |
14年7〜8月に代表者柳田、分担者鈴木・菅野が研究協力者上野稔弘氏とともにウズベキスタンでの現地調査を行った。タシケントの高麗人文化センター協会で同協会の長老会議構成員や若い高麗人たちと会い、老若両世代の高麗人を結ぶ同協会の文化活動についてインタビューを行った。ここで、現在のウズベキタンで学習されている朝鮮語は彼ら自身が伝えてきた咸鏡道方言を基盤とする「高麗語」ではなく韓国語であることが確認された。次に旧コルホーズ「ポリトオッジェル」の高麗人文化センター議長V.S.Kim氏の助力を得てそこに1週間泊まり込んでの本格調査を行った。ここで柳田と菅野は1937年強制移住前後に生まれた同地の高麗人2世の人々に長時間のインタビューをし、この人々の言語のサンプルを得た。その結果、彼らの日常言語は朝鮮語とロシア語の混在言語であることを確認し、また、帰国後それを詳細に分析したところ、彼らの発話は「話し手の特性(社会的地位や生活史)および/または発話の状況」という要因にしたがって純粋な朝鮮語と純粋なロシア語の間を揺れ動くものであり、日常家庭内でロシア語を話している人の場合ですら音韻、形態、統語の各レベルで朝鮮語に引きずられた誤りがしばしばあってロシア語が母語となっているとは言えず、彼らの母語はあくまで朝鮮語であるとの認識に達した。鈴木は今回の調査で「ポリトオッジェル」付属墓地の墳墓すべてを記録し、生年、没年、墓の形状等でソートが可能な表を作成した。研究協力者上野氏は「ポリトオッジェル」ほかの各地において高麗人の生活文化を多数の写真に納めると同時に同地の小中学校等でインタビューを行い、分担者の成澤が11月に韓国で収集した資料と併せて高麗人の民族自我に関する考察を行った。15年3月18日には全員が集まって研究会を行い、研究成果を報告するとともに今後の継続研究の必要性を確認した。
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