研究概要 |
平成13〜15年度にかけて、ケニアのタイタ社会で話されているダヴィダ語を中心としてタイタ語辞典の編纂をおこなってきた。過去2年間においては、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所編「アジア・アフリカ言語調査票」に基づいて採録したタイタ語No.1〜2000を対象に研究を進めたが、平成15年度においては、これらのデータを整理し、語彙相互間の関係を新たに構築しながら全体を統一された視点から組み換えを行った。平成15年8〜9月にかけてケニア国においてネィティヴスピーカーによるチェックと意見交換をおこなった。10月から平成16年3月にかけてこれまで入手した文献によるタイタ語の構造の解明と、それに基づく語彙相互間の関係の再構築を行った。これにより、タイタ語の語彙に関しては、当初の予定通り、収録対象予定の基礎語彙2000語のデータ収集を終えることができた。これは、『平成13〜15年度日本学術振興会科学研究費補助金報告書:ダヴィダ語辞典』(大学内部印刷)としてまとめた。また、平成13年度にケニア国立文書館において入手したWray, JA.. An Elementary Introduction to the Taita Language, Society for Promoting Christian Knowledge, London.,1894をダヴィダ語と比較対照する研究を開始した。この研究は、これまで採録してきたデータを有効に利用しながらダヴィダ語の文法構造を解明する手がかりとなるものであり、ネイティヴスピーカーとともにダヴィダ語への書き換えを行っている。これは、本研究課題を補完するものであり、その成果の一端は、平成15年度において英文論文として公表した。
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