研究概要 |
本研究は、1実態についての海外調査、2関連する分野についての文献調査、の二つに分かれる。 1.海外調査 (1)台湾(中華民国)における軍用墓地の実態、追悼施設の状況【日程】平成14年2月28日〜3月3日 研究協力者:桐本順功(佛教大学大学院文学研究科博士前期課程、中国史専攻) 同:黄栄昌(佛教大学大学院文学研究科博士後期課程) (2)アメリカ合衆国における国立墓地の実態、追悼施設の状況【日程】平成14年7月28日〜8月10日 研究協力者:白石真生(大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程) (3)第一次世界大戦における戦争墓地の実態、追悼施設の状況【日程】平成15年8月16日〜30日 研究協力者:ベリー・キース(群馬大学工学部専任講師) 2.大英帝国戦争墓委員会設立の中心的人物、Fabian Wareの研究 T.A.Edwin Gibson and G.kingsley Ward"Courage Remembered"Her Majesty's Stationery Office, London, 1989による分析、研究 3.帝国戦争博物館のプロジェクト「戦没記念碑総目録」作成・地方調査員、Andrew Spooner氏との意見交換 彼は、第一次世界大戦について該博な知識を持ち、戦場の調査も行い、独自の解説書も著している。UKだけでなくフランス、ベルギー、ドイツなど様々な地域の軍用墓地、追悼施設についての知識をめぐり、意見交換、討論を行った。 4.文献の収集 戦争、軍用墓地、追悼施設などをキーワードとして文献を収集した。 Ex.Sidny C, Hurst"The Silent Cities"Methuen & Co.LTD, Lomdon, 1929 David Saunders"Britain's maritime Memorials & Mementoes"PSL, Sparkford, 1996 Jay Winter and Emmanuel Sivan"War and Remembrance"Cambidge University Press, Cambridge, 1999 Rose E.B.coombs"Before Endeavours Fade"After The Battle, London, 1998,など 以上の調査、研究をもとに、別掲の論文3本、出版物への寄稿2本を行った。それらの中で、現在の到達した認識として、軍人たちの[埋葬]と[追悼]のあり方について、アジア型・ヨーロッパ型などいくつかの類型化が出来ると考えるようになった。 ただ、日本史研究者としての調査、研究であり、外国史研究者や外国人研究者との合同調査や検討会、研究会なども組織して、これらの分析結果をより深める必要があると思われる。
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