研究課題/領域番号 |
13610421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大稔 哲也 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 助教授 (10261687)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 聖者 / 参詣 / 死者の街 / スーフィズム / カイロ / 墓地 / マムルーク朝 / 聖者崇敬 |
研究概要 |
まず第1に、エジプト死者の街や、その『参詣の書』に関連する史料・研究書について調査し、蒐集することが出来た。特にエジプトでは、国立図書館などにおいて貴重な資料のマイクロ複写を行った。次いで、イスラーム初期以来、エジプトの広大な墓地区「死者の街」に埋葬されてきた人々に関するデータベース作成に従事した。特に死者の街『参詣書』のデータを、情報の項目を整理したシートへ被葬者・参詣所ごとに入力した。項目としては、参詣所名、被葬者氏名(通称、尊称、添え名など)、性別、生没年、家系・家族全般の情報、身体的特徴、職業、空間移動、知的背景(ハディースの系譜、法学派、神学派、師弟、学歴、著作、スーフィーか、所属教団他)、被葬者の奇蹟譚、逸話、墓に関する情報(位置、形状・素材、縁起、参詣対象か、参詣慣行、祈願内容他)などが挙げられる。総数や全体の輪郭を把握すると共にかなりのデータを蓄積出来たため、今後につながる基礎的な作業はほぼ終了した。 第3にデータベース化された資料をもとに分析を行い、その中の特にスーフィズム関連の情報を事例研究として検討した。それによって、中世エジプト社会におけるスーフィズムの展開と呼応する、史料上に現れたスーフィー関連の呼称の増加や、スーフィー関連の修道施設の激増とその意味などが具体的に詳らかにされた。第4に、参詣の書に示された墓と参詣路路を、現地踏査した。加えて、墓地居住者などからも聞き取りを行うことが出来た。そして、墓地のトポグラフィーの再構成や変遷過程を跡づける作業を通じて、史料と歴史的な空間構成との対応を問う論文の作成が可能となった。さらに、本研究の成果は2004年春にカイロより出版予定のLe developpement du soufisme en Egypte a l'epoque mameloukeにも英文論文として収録される。
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