研究課題/領域番号 |
13610451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山代 宏道 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80113372)
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研究分担者 |
宮城 徹 琉球大学, 法文学部, 助教授 (90258294)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ノルマン征服 / グローバリゼーション / 教会改革運動 / イースト=アングリア / ノリッジ / 市場 / ドゥームズデイ=ブック / 所領 / 妻帯聖職者 / 交易 / 商人 / 宗教文化 / 所領経営 / グローバルスタンダード / イーストアングリア / 国際交易 |
研究概要 |
本研究は、新たな視点からノルマン征服を見直そうとするものであり、征服がイングランドを大陸ヨーロッパと結びつけ、各方面でグローバル化を進めていった過程を明示し、11・12世紀ヨーロッパ全体の中でイングランドを歴史的に位置づけることを目指した。 山代は、11・12世紀ヨーロッパ全域におけるノルマン人の活動を跡づけながら聖地巡礼と征服・移住活動との結びつき指摘し、北西ヨーロッパ地域の聖戦としてのノルマン征服を正当化するために作成されたバイユー=タペストリーが、共通のキリスト教的価値観として神罰概念を用いていることを究明した。また、教会改革運動を「グローバリゼーション」とみなしながら、その波がイングランドへと及んでいったとき、具体的な改革目標に関して国王や大司教・司教レベルでどのような対応が取られたのかを探り、小教区レベルでは地方の伝統的慣例(ローカリズム)とのせめぎ合いを引き起こしていった様子をイースト=アングリアのノリッジ司教区について解明した。 宮城は、ノルマン征服後、イングランドでの市の漸次的増加が、遠隔地商業と在地商業の重層的な展開によって支えられた商品流通の活発な展開=中世ヨーロッパ経済のグローバル化を背景として生じた現象であったこと、また、中世ヨーロッパ経済がグローバルな規模で展開し始める当該期に、イングランドは征服を契機に大陸との関係を深めていくのであり、前代の古い土地経営の形態を残しながらも、領主経済の拡大と人口増加に伴う土地需要の高まりを背景に所領の荘園的再編成が加速度的に進み、直営地と賦役負担地の分離、さらには自由保有地の慣習的保有地への転換が同時平行的に進展したことを明らかにすることができた。
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