研究課題/領域番号 |
13610551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 亨 山形大学, 人文学部, 助教授 (70216414)
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研究分担者 |
富澤 直人 山形大学, 人文学部, 助教授 (40227616)
丸田 忠雄 山形大学, 人文学部, 教授 (10115074)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 付加詞 / 統語構造 / LF表示 / 動詞の語彙意味 / 述語 / 派生 / wh句 |
研究概要 |
本研究では、「項ではない」という特徴づけでは十分に捉えきれない「付加詞」の示す意味論・統語論上の変則的なふるまいに関して、語彙意味論とミニマリスト統語論の両側面から解析を進め、付加詞の明示的な扱いを可能にする理論的枠組みを提示した。 丸田担当の語彙意味論による形容詞構文の分析では、英語のtough形容詞にみられる構文交替を形態的操作に基づくタイプシフトにより説明し、さらに日本語の二種類のタフ構文が、英語と基本的には同じく二層の主題領域をもち、順次述語形成というタイプシフトを受け、経験述語として領域の外項を叙述するという理論を提案した。併せてタイプシフトの必然性を事物がもつdo-abilityという観点から説明した。 鈴木担当の語彙意味論による結果構文の分析では、構文の本来的な機能を「有意味な推移を持つ特異な事象の描写」と特徴づけた上で、結果句を制限する原理として、測定尺度上の相補対立という概念を定式化し、形容詞結果構文と前置詞句結果構文双方における結果句の選択制限に対する統一的な説明を提案した。さらに、有界性の制約が、より根元的には相補対立を介して事象合成にかかわる要請から導かれる可能性を検討した。 富澤担当の統語論の分析では、疑問詞と照応形の分析に基づき、各種の素性の処理を派生的に行う点で従来の「表示型モデル」とは異なる、「派生的モデル」を指示する証拠を提示し、派生の効率性に関わる素性の固定化(feature fixation)という根本的原理を提案した。これにより主語条件と付加詞条件の効果が一元的に捉えられることを示すとともに、wh移動を受けたwh句からの抜き出しが可能なこと、外置要素からの抜き出しが不可能なこと、object shiftを受けた目的語要素からの抜き出しが不可能なことも一様に捉えられることを示した。
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