研究課題/領域番号 |
13610554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 康成 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10116056)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 中世 / ルネサンス / 時代区分 / ラテン語 / ヨーロッパ / 異教 / プロテスタント / 世俗 / 世俗国家 / 中性 / シェイクスピア |
研究概要 |
「中世」と「ルネサンス」の時代区分について、実体的連続性、実体的断絶性、歴史表象としての区分という三点に分けて考察を進め、それぞれ以下のような結論を得た。 (1)実体的連続性--言語的基盤から見るならば、ラテン語と英語という二重構造はほぼ変わらず「中世」「ルネサンス」を通底する。もちろん古典的正統ラテン語の復活あるいは英語も中英語から近代英語へという大きな変容はあったが、知の言語的基盤の二重構造では重要な連続性が存在した。文化的基盤という観点からもトロイを起源とするヨーロッパに普遍的な歴史的神話とそれに接続するロマンスが厳然と存在し、その限りでは、この面においても連続性が認められる。(以下、一章「アングロサクソン」と第二章「ルネサンス」と参照。) (2)実体的断絶性--悲劇という演劇的ジャンルに典型的に現れているように、主体の内面の世界への探求という心理的モーメントは、ひとつの断絶として捕らえられるだろう。これは主客の別にたいする意識の強化と言ってもよいが、このことは、逆に見るならば、相容れない矛盾的要素の包含ととられることもできる。これは、古代ギリシアに象徴される異教的要素の積極的導入に通じる。(以下、第二章「ルネサンス」を参照。) (3)歴史表象としての区分--「ルネサンス」と「中世」は同時発生的であるが、その表象区分の歴史的根源はペトラルカが直前の時代に抱いた「暗黒時代」という感覚に始まる。その歴史的感覚は、宗教上の「プロテスタント」的批判的精神により研ぎ澄まされ、さらに、世俗国家台頭とともに高まった国民文化形成への意識と密接に関係する。これらの基盤を共有する種々の要素がそれぞれ確立してゆくなかで、「中世」と「ルネサンス」の時代区分は明確化されていった。(以下、第二章「ルネサンス」と第三章「17世紀」を参照。)
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