研究課題/領域番号 |
13610561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
内海 智仁 岐阜大学, 地域科学部, 助教授 (00185050)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 表象 / アイルランド / ナショナリズム / 帝国 / アイデンティティー / 19世紀 |
研究概要 |
本研究は、「大英帝国」とアイルランドとの文化的な対立がアイルランドの文学的・文化的な「ナショナリティ」を創り上げてゆく過程を、19世紀イギリス文学・アイルランド文学に現れるアイルランド(人)像を分析することにより、明らかにすることを目的としている。 3年間の研究期間の最終年度である本年度は、これまでの作業を継続し、発展させた。すなわち、19世紀イギリス文学に現れるアイルランド像と、19世紀アイルランド文学に現れるアイルランド像とを、「ナショナリズム」の観点から、文学作品のテクスト(風刺漫画などの図像も含む)に即して綿密に分析した。イギリス文学では、アーノルド、ジョージ・エリオット、ディズレイリ、スコットら、アイルランド文学では、トマス・ムア、ブーシコー、イエィツ、シングらである。 ユナイテッド・アイリッシュメンの蜂起、世紀半ばの大飢饉、フィニアンによる独立運動、そして世紀終わりのパーネルの活躍と失脚、といった19世紀のうねりは、アイルランド文芸復興運動と相侯って、20世紀のアイルランド文学の隆盛、イースター蜂起、独立戦争へとつながってゆく。 19世紀イギリス文学に現れるアイルランド像(ステレオタイプ)と、19世紀アイルランド文学に現れるアイルランド像(自己像)という両者が、イギリス/アイルランドの文化・政治・社会状況との関係の中で、互いに深く影響・作用していること。まさにそうした磁場において、アイルランドの「ナショナリズム」やアイデンティティーの形成・創出がなされたこと。その一端を、ロバート・エメットなどの具体例に即して明らかにすることができた。
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