研究概要 |
本研究は2000年1月ノートン社から出版された、ソローの最晩年の手稿Wild Fruits(1859-1861)、『野生の果実』の成立過程と内容を総合的に研究し、『野生の果実』の現代的意義を評価することを目的とし、研究実績として、以下の成果があった。 1 研究論文 (1)「野生果実の喪失と復活」(『アメリカ文学ミレニアムI』南雲堂,2001)においては『野生の果実』に表れたエコロジー思想の先駆的予言的表明を解明した。(2)「進化する名著、新たなるウィルダネスのシナリオ」(2001、英語青年)では、現代のウィルダネス思想とソローとの関連を解明した。(3)「透明な眼球とエマソン生誕200年」(2002、ソロー研究論集)ではエマソンとの比較に置いてソローの視点の独自性を論じた。 2.国際学会発表 「Terry Tempest Williams' Leap : From Utah Desert to The Garden of Delights」と題してソローの現代ネイチャーライティング作家への影響を2003年3月琉球大学で開催された文学環境国際シンポジウムで英語で発表した 3.出版物 (1)『野生の果実』の翻訳書出版。2002年11月に松柏社より『野生の果実-ソロー・ニュー・ミレニアム』と題して出版し、同書の意義を「はじめに」で論じ、ソローがこの手稿執筆に際し参考した文献約150点を調査し、書誌、植物名、地名インデックスも付け、『野生の果実』のほぼ全容を解明した。(2)論文集共編著『アメリカを超える-新しい風景の創造』(南雲堂近刊)第17章に口頭発表原稿を収録し、出版予定。 4.その他の出版物として、関連の書評など4本を発表した。
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