• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

エズラ・パウンドとアメリカン・ファシズム―人種と経済のユートピア

研究課題

研究課題/領域番号 13610585
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 英語・英米文学
研究機関東京都立大学

研究代表者

三宅 昭良  東京都立大学, 人文学部, 助教授 (90200138)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードファシズム / モダニズム / 反ユダヤ主義 / オカルティズム / 社会改革論 / 社会信用理論 / 銀シャツ党 / キリスト教共和国 / 社会革命論 / 神秘主義 / ユートピア / ファンダメンタリズム / グノーシス / 南北戦争
研究概要

今回の研究によって、エズラ・パウンドのファシズム傾斜の全容、ウィリアム・ダッドリー・ペリーの心霊主義とファシズムの関係、ペリーのパウンドにあたえた影響は解明できた。
パウンドにおいては<アメリカ>という問題がきわめて重要である。理想の<アメリカ>が現実の歴史と政治から失われてゆく思いから、ファシズムと反ユダヤ主義に傾倒してゆくのであった。その課程で、ペリーの「南北戦争とリンカーンの死の秘密」という論文を読んだことが、パウンドにとっては決定的であった。南北戦争というアメリカ史上最大の国家的危機がユダヤ人による陰謀であったという暴論に衝撃を受け、「ユダヤ人問題」の研究に彼ははいるのである。その意味でペリーの反ユダヤ主義が詩人にあたえた影響は重大である。
ペリーのファシズムは反ユダヤ主義思想、銀シャツ党の活動、心霊主義、経済改革論の4つの柱から成る。今回の研究では銀シャツ党の活動の概要、心霊主義の核心、そして心霊主義と反ユダヤ主義、さらに経済改革論とそれらの関係の解明を試みた。彼の人種理論はグラントなどの黄禍論的人種主義と同種のものであるが、それに宇宙論的妄想をかぶせたところにその特徴がある。すなわち、地上にさまざまな人種が存在するのは、宇宙から人類の祖先が移住してきたところに原因があるとする説である。そしてユダヤ人を含む黄色人種は「優秀な支配人種たる白人種を脅かす危険な存在」という、例の黄禍論に接続するのである。また、ペリーの経済改革論は実行不可能な空想的ユートピアにすぎず、オカルト的人種論と同じメンタリティの所産であることがよく分かる内容である。そしてこの建設的価値が彼の反ユダヤ主義を支えるもうひとつの思想的軸なのである。

報告書

(4件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書

研究成果

(16件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] Akiyoshi MIYAKE: "Right on the Wing : An Essay on William Dudley Pelley"本研究・研究成果報告書. 13-24 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "ウィリアム・ダッドリー・ペリーに関する覚え書き"人文学報. 342. 35-62 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "歴史の渦にのみこまれた詩人-エズラ・パウンドの神話・歴史・錯誤-"アメリカン・モダニズム(単行本). 44-92 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "一線をこえた記憶-エズラ・パウンドにおける記憶としての<アメリカ>"批評空間. 3月号. 241-253 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miyake, Akiyoshi: "Right on the Wing"The Report of This research. 13-14 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miyake, Akiyoshi: "Notes on William Dualley"Jinbun-Gakuho. vol.342. 35-62 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miyake, Akiyoshi: "A Poet Who Descended into a Historical Maelstroem"American Modernism. 44-92 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miyake, Akiyoshi: "A Memory Which Has Crossed the Border"Hihyo-kukan. 241-253 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akiyoshi MIYAKE: "Right on the Wing : An Essay on William Dudley Pelley"本研究・研究成果報告書. 13-24 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "ウィリアム・ダッドリー・ペリーに関する覚え書き"人文学報. 342号. 35-62 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "歴史の渦にのみこまれた詩人--エズラ・パウンドの神話・歴史・錯誤--"アメリカン・モダニズム(単行本). 44-92 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "一線をこえた記憶--エズラ・パウンドにおける記憶としての<アメリカ>"批評空間. 3月号. 241-253 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 明良: "ウィリアム・ダッドリー・ペリーに関する覚え書き"人文学報. 342号. 35-62 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "-線をこえた記憶-エズラ・パウンドにおける記憶としてのアメリカ"批評空間. 3月号. (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "-線をこえた記憶-エズラ・パウンドにおける記憶としてのアメリカ"『モダニズムの越境』(単行本)(人文書院). 183-202 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅 昭良: "歴史の渦にのみこまれた詩人-エズラ・パウンドの神話・歴史・錯誤"『アメリカン・モダニズム』(単行本)(せりか書房). 44-92 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

URL: 

公開日: 2001-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi