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欲望の美学-無意識と「表現」の問題

研究課題

研究課題/領域番号 13610612
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 仏語・仏文学
研究機関法政大学

研究代表者

酒井 健  法政大学, 第一教養部, 教授 (70205706)

研究分担者 原 和之  電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (00293118)
研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード欲望 / 美学 / 無意識 / 表現 / 現代思想 / 美術史 / 精神分析 / 西洋美術 / 思想 / 死 / シュルレアリスム
研究概要

本研究は、一九世紀末に登場した精神分析学およびその大きな影響下で展開した二〇世紀の西欧思想を参照しつつ、美術作品に対する新しいアプローチのありかたとして「欲望の美学」を提唱しようとするものである。研究は美術史的・思想史的なアプローチを酒井が、精神分析理論からのアプローチを原が主として担当する形で進められた。
西欧の歴史の中で、美術のあり方はその姿を大きく変えてきた。そうしたさまざまな美術がそれぞれにわれわれの心を動かすということを、われわれは「欲望」を鍵概念として究明した。われわれはまずこの概念が精神分析、とりわけフランスにおけるラカン的な展開において全面的に見直された過程を、ラカンにおける「欲望」概念の独自の分節化(欲求・要求・欲望の三分法)および「欲動」の再規定に注目しつつ検討し、彼の理論的な努力を、「欲望」概念にそれが本来持つべき多様な次元を返し与えようとする試みであると位置づけた。さらに、こうした「欲望」概念から「美」を規定しようとしたラカンのセミネール『精神分析の倫理』(1959-60)の議論を分析した上で、彼の表象システムをめぐる議論---いわゆる「鏡像段階」に始まり、アナモルフォーズを経由して最終的にはベラスケスの「侍女たち」にいたる議論---を、「欲望の美学」の先駆的形態とみなして、その展開を跡づけた。
またラカンの1960年代後半の議論からは、その多様性が主体の個人史のみならず、その主体が生きた時代、社会からも規定を受け取っていることが明らかになる。こうした観点から、上記の作業と平行して、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ハンス・ホルバイン、フランシスコ・デ・ゴヤ、フィンセント・ファン・ゴッホについて、その作品や生涯を当時の社会的・文化的コンテクストのなかに置き直した上で、芸術の次元と無意識の次元の関係という観点から検討し、各画家論としてまとめた。

報告書

(3件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
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    (21件)

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すべて 文献書誌 (21件)

  • [文献書誌] 酒井健: "レオナルド・ダ・ヴィンチ---夜明けの漂流者"大航海. 第42号. 24-39 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 酒井健: "ハンス・ホルバイン---死に至る遠近法"大航海. 第43号. 246-259 (2002)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 酒井健: "フランシスコ・デ・ゴヤ---啓蒙の闇の中へ"大航海. 第44号. 201-217 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 酒井健: "フィンセント・ファン・ゴッホ---西欧の自己解体"大航海. 第45号. 178-197 (2003)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 原和之: "揺動する水面---瞬間、審級、執存instant, instance, insistance"I.R.S---ジャック・ラカン研究. 第2号. 161-187 (2003)

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  • [文献書誌] 原和之: "表面のメメント---ラカンによる「侍女たち」"情況. (2003年8・9月合併合掲載予定号現在印刷中). (2003)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 原和之: "ラカン 哲学空間のエクソダス"講談社. 238 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sakai, Takeshi: "Leonardo da Vinci"Voyages into history, literature and thought. No.42. 24-39 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sakai, Takeshi: "Hans Holbein"Voyages into history, literature and thought. No.43. 246-259 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sakai, Takeshi: "Francisco de Goya"Voyages into history, literature and thought. No.44. 201-217 (2002)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sakai, Takeshi: "Vincent van Gogh"Voyages into history, literature and thought. No.42. 178-197 (2003)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hara, Kazuyuki: "Waving surface - instant, instance, insistance"I.R.S.-Lacanian Studies. No.2. 161-187 (2003)

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  • [文献書誌] Hara, Kazuyuki: "Memento of the surface - Lacanian analysis of "Las Meninas""Situation. in print. (2003)

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  • [文献書誌] Hara, Kazuyuki: "Lacan -a philosophical Exodus"Kodansha. 238 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 酒井健: "レオナルド・ダ・ヴィンチ---夜明けの漂流者"大航海. 第42号. 24-39 (2002)

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      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井健: "ハンス・ホルバイン---死に至る遠近法"大航海. 第43号. 246-259 (2002)

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      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井健: "フランシスコ・デ・ゴヤ---啓蒙の闇の中へ"大航海. 第44号. 201-217 (2002)

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      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井健: "フィンセント・ファン・ゴッホ---西欧の自己解体"大航海. 第45号. 178-197 (2003)

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      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 原和之: "表面のメメント"情況. 5月号(印刷中). (2003)

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      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 原 和之: "ラカン 哲学空間のエクソダス"講談社. 238 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井 健: "レオナルド・ダ・ヴィンチ-夜明けの漂流者"42号. 24-39 (2002)

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      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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