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ブランデンブルク・プロイセンと少数民族形象-ドイツ現代自然詩研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610617
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関東北大学

研究代表者

杉浦 謙介  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (40196712)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードブランデンブルク / プロイセン / ドイツ文学 / 自然詩 / フーヘル / ボブロフスキー / 少数民族 / ヴェンデン人 / アイヒ / ヴェルデン人
研究概要

ブランデンブルク・プロイセン地域の少数民族は、ドイツ人=抑圧的支配者、少数民族=被支配者という単純な二分法的図式では捉えられない複雑な歴史と文化をもっている。そして、この複雑な歴史と文化が、ブランデンブルク・プロイセンの自然詩の少数民族形象をかたちづくっている。ブランデンブルクの自然詩人フーヘルを例にとって説明する。フーヘルの詩集は、ツィクルス構造(詩集としての統一的構造)を有し、その構造と「徴」形象(自然から人間へとあるメッセージを込めて発信される形象であり、フーヘルの自然詩の特徴となっている)と少数民族形象とが密接に結びついている。第1詩集『詩』(1948)は、当時のソ連占領地区のパラダイムを反映して「民衆・民族の自立」の歴史をツィクルス構造によって表している。その「民衆・民族の自立」の象徴として少数民族ヴェンデン人が置かれている。ジプシー形象は、すべての詩集のツィクルス構造のかなめに置かれているが、特に、第2詩集『街道 街道』の冒頭詩篇『徴』では、「徴」を発信する自然と重ねられている。また、第4詩集『第九時』では、ジプシー形象は、ツィクルス構造の中軸を形成し、「魔術消去」を被る形象としてフーヘル自身を投影している。ユダヤ人の形象は、旧約聖書を基礎にして、フーヘルをとりまく状況を映している。第3詩集『余命』では、エフライム形象とバビロン捕囚形象が、東独での軟禁生活や東独からの亡命を映しながら、ツィクルスの骨組みを作る。詩集『第九時』では、ユダヤ・ヘブライ形象(アムモン人)が異郷で死を待つフーヘルを映している。一方、ユダヤ人の形象は、ドイツ現代詩ではアウシュヴィッツ問題を象徴することが多い。しかし、フーヘルの全詩集のツィクルス構造を分析することによって、フーヘルにはこの問題が存在しないこと、彼にとっては第2次世界大戦とは敗走と難民の時代であったことが明らかになった。

報告書

(4件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 杉浦謙介: "「徴」とメタファー-フーヘルの「徴」についての形象論的考察-"国際文化研究科論集(東北大学大学院国際文化研究科). 10. 149-166 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 杉浦謙介: "フーヘルの詩形象の認知特性-認知論的言語芸術形象論の試み-"国際文化研究科論集(東北大学大学院国際文化研究科). 11. 145-162 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 神品芳夫(編著), 杉浦謙介他4名(執筆協力): "20世紀ドイツ自然詩の系譜"みすず書房(印刷中). (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sugiura, Kensuke: ""Zeichen" und Metapher --Betrachtungen ueber das "Zeichen" Huchels vom Gesichtspunkt der Figurforschung--"Journal of the Graduate School of International Cultural Studies. Vol.10. 149-166 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sugiura, Kensuke: "Ueber die kognitiven Eigentuem-lichkeiten von den lyrischen Figuren P.Huchels"Journal of the Graduate School of International Cultural Studies. Vol.11. 145-162 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio (ed), Sugiura, Kensuke, 4 writers: "German Nature Poetry in the 20th Century"Misuzu Shobo. (now in printing). (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 杉浦謙介: "フーヘルの詩形象の認知特性-認知論的言語芸術形象論の試み-"「国際文化研究科論集」(東北大学大学院国際文化研究科). 11. 145-161 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 神品芳夫(編著), 杉浦謙介他4名(執筆協力): "20世紀ドイツ自然詩の系譜"みすず書房(印刷中).

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 杉浦謙介: "「微」とメタファー-フーフルの「微」についての形象論的考察-"国際文化研究科論集(東北大学大学院国際文化研究科). 9号. 1-18 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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