研究課題/領域番号 |
13610618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石塚 茂清 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (60015948)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ニーベルンゲンリート / ニーベルンゲンの歌 / 中高ドイツ語 / 写本 / 図像作品 / フレスコ画 / 人名地名 / ジークフリート / 英雄叙事詩 / ドイツ中世文学 / 古写本 / ジークフリート伝説 / ルーン文字 / データベース / シュノル |
研究概要 |
13世紀初頭(1204年頃)に成立したと言われるニーベルンゲンリートには叙事詩の内容を描いた壁画、天井画、岩絵、彫像を始め,挿画、版画など数多くの図像資料がある。 この研究の報告書(全111頁)には,中高ドイツ語で記述されている原典(写本B、写本Cなど)の記述内容と,各種図像資料に描かれている人物や事物等を比較対照し項目別に整理して記載した。この研究のために、ドイツやオーストリアを始め、北欧諸国の博物館・美術館・市庁舎等に於いて、デジタルカメラを用いて関係図像資料を撮影したが、特にミュンヒェンのニーベルンゲン絵画館、ヴォルムスに新設されたニーベルンゲン博物館、パッサウやロルシュの市庁舎、ハンガリーのエステルゴム等で多数の図像作品を撮影し、オーストリアのペッヒラルンにあるニーベルンゲン記念公園を訪ね、メルク修道院図書室では再発見された13世紀末の当叙事詩断片を調査・撮影して、原典との比較対照研究を推進した。壁画・天井画としては、ベルリンの博物館島にある旧国立美術館の天井画(1876年完成)、ミュンヒエンのニーベルンゲン絵画館のフレスコ画(Schnorrの筆になる絵画)を調査した。スウェーデンのEskilstuna近郊の岩絵(ルーネ文字や、ジークフリート伝説の絵)や、ノルウェーのオスロ大学博物館所蔵の木扉(Sigurd伝説が彫られた12世紀ないしは13世紀のもの)に描かれている内容は、中世ドイツの叙事詩には欠けている部分を補う貴重な文化遺産であり、これらを現地調査し、その成果を大学の講義や公開講座等の教育活動に役立てることができた。 16世紀のアンブラス英雄本を用いて、国名、都市名などの古い表記や、地名の変遷について研究した。「ニーベルンゲンリートに於ける国名表記」と題する研究論文は、写本等の原典に基づく人名地名の言語学的研究の一環で、ヨーロッパ各地の図書館等で収集した写本に関する記述や研究文献を基に執筆したもので、lantという語の付加の有無がゲルマン語の地名に果たしている役割や差異を論じたものである。研究成果の<Die Eingangsstrophe beim Epos>は、日独の古い叙事詩・物語冒頭の写本等を比較し、共通した変遷過程があることを立証したドイツ語論文である。
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