研究課題/領域番号 |
13610653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
濱田 豊彦 (殳田 豊彦) 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80313279)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 聴覚障害 / イントネーション / アクセント / 方言 / 聴力レベル / 補聴器 / 言語獲得 / 音響分析 / 聴覚活用 / 母語 / 抑揚 |
研究概要 |
音声言語の抑揚情報は、音の大きさ、高さ、長さといった聴覚心理的な音の基本要素によって特徴付けられ、意味や感情などを伝える。また、これらの情報は文字で視覚的に表記されることはない。研究は、聴覚障害児のアクセントやイントネーションの聴取弁別能力および発話弁別能力に関する第I部と、聴覚障害児の音声方言の獲得に関して調べた第II部からなっている。 第I部では、アクセント、イントネーション聴取弁別力と平均聴力レベルの相関を検討したところ、アクセントにおいては約70dBHL以下、イントネーションにおいては100dBHL以下の対象児において、有意に弁別される傾向が見られた。このことより、同じ抑揚の情報であっても、聴覚障害児にとってはアクセントよりイントネーションの方が容易に聴者弁別できることが明らかとなった。また、発話弁別力においてもアクセントの弁別は困難でもイントネーションは弁別できる者が見られた。文末の持続時間をパラメータとして平叙文と疑問文の言い分けの方略を分析したところ疑問文で有意に文末の持続時間をのばすことによって平叙文、疑問文を言い分けていることが分かった。 第II部では聴覚障害児の音声方言の使用頻度を聴児と比較し、聴力との関係で検討を行った。その結果以下のことが示された。 1)聴覚障害児の方言使用頻度及び理解共に、聴児に比べ低いものとなった。 2)ただし、聴覚障害があっても高頻度に方言を使用している者もいた。 3)聴力レベルや聴取弁別能力等と方言の使用頻度・理解率には有意な相関がなかった。 4)方言の使用・理解には聴力の他に、方言を多用する家族がいるかなどの言語環境の影響が大きいと推察した。
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