研究課題/領域番号 |
13610668
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
斎藤 衛 南山大学, 人文学部, 教授 (70186964)
|
研究分担者 |
村杉 恵子 南山大学, 外国語学部, 助教授 (00239518)
阿部 泰明 南山大学, 人文学部, 教授 (40159447)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | スクランブリング / 比較統語論 / 移動現象 / 非演算子移動 / 句構造形成 / 併合 / パラメータ / 言語獲得 / パラメター |
研究概要 |
統語論:G.Grewendorf氏、J.sabel氏(ゲルマン系言語)、Z.Boskovic氏(スラヴ系言語)、宮川繁氏(アルタイ系言語)、J.Jayaseelan氏(ドラヴィダ系言語)と協同研究を進め、日本語スクランブリングの特質を明らかにした。特に、この比較研究を通して、日本語スクランブリングが、意味表示に反映されないという特殊な性質をもつ移動規則であることが確認された。また、この成果に基づいて、日本語スクランブリングの具体的分析を極小主義理論を発展させる形で示した。この分析は、素性削除により、連鎖を循環的に解釈することを提案し、日本語スクランブリングの主要な性質(移動された要素のLFにおける全的再構築、着地点のA/A'位置としての性質、痕跡の適正束縛原理による制限)に統一的な説明を与えるものである。さらに、日本語スクランブリングの存在根拠をより基本的な句構造形成のメカニズムに求め、日本語が、純粋な形で「併合」を適用することにより句構造を形成することから、スクランブリングを許容するとの仮説を提示した。 言語獲得:スクランブリングの獲得について、2〜4才児を対象とした実証研究を行ない、スクランブリングが極めて早い段階(2才)ですでに獲得されていることを示すデータを得た。これは、スクランブリングの獲得が言語獲得の後期においてなされるとする先行研究の結論を覆すものである。特に、より遅い時期に獲得される受動化との対比が鮮明に示されたことにより、日本語スクランブリングが素性照合を伴わない移動現象であるとする統語分析を支持する結果となった。この実証研究の結論は、日本語スクランブリングの存在理由を句構造形成のメカニズムに求める統語研究の結論と合致するものである。
|