研究課題
基盤研究(C)
本年度の研究課題は女真文宇と契丹文字との比較研究の最終段階につき、契丹小字墓誌の解読につとめることである。契丹小字墓誌に記載された内容は非常に豊富なもので、遼朝一代の史実や契丹民族の風俗習慣などが大量に含まれている。漢文資料に見えないモンゴル人の実像が『元朝秘史』に認められるように、漢文資料からは窺い得ない契丹人の実像が、契丹小字墓誌の解読によって徐々に解明されつつある。契丹小字墓誌の解読成果は遼史の空白を埋める、その疎漏を補うことができる。研究代表者はここ数年、女真文字解読の成果を基礎に契丹小字を研究し、さらに契丹小字解読の成果を基礎に遼史を考証することで、最終年度では、予期した以上の成果を獲得している。本年度の研究成果は、(1)20世紀90年代以降に出土された契丹小字墓誌13帙を対象にそれぞれの墓主及び世系に関する研究、(2)これら墓誌に載せる墓主の世系に関わる遼朝政治社会史と民族文化・習俗に関する研究、の二つが主要な内容となる。報告書では、(1)に関する研究成果を『契丹小字墓誌研究』と題として中心的に報告することとするが、(2)についても「国舅大小翁帳族屬問題考」「横帳の本義とその構成」「『遼史』中の匣馬葛」「契丹人の名と字」「契丹及び契丹化漢人の習俗」「蕭朮哲考」「韓徳威・韓徳昌子嗣考」「烏古敵烈部考」としてそれぞれ関係墓誌の考証に附載しておく。
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金啓〓先生記念文集
ページ: 20-27
ページ: 28-30
Scholarly Library memorializing Prof.Jin Qizong
立命館文学 584号
ページ: 27-36
立命館文学 585号
ページ: 1-21
東亜文史論叢 1号
ページ: 1-27
立命館文学 586号
ページ: 1-24
立命館言語文化研究 16巻2号
ページ: 184-205
The Ritsumeikan Bungaku No.584
The Ritsumeikan Bungaku No.585
The Collection of Articles about History and Culture of East Asia No.1
The Ritsumeikan Bungaku No.586
Ritsumeikan Studies in Language and Culture Vol.16 No.2
Report of the Research Project, Grant-in-Aid for Scientific Research (C) of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology 129