研究課題/領域番号 |
13620035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大田 肇 津山工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30203798)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | イギリス / 軍隊 / 軍法会議 / 軍事法 / ヨーロノパ人権裁判所 / ヨーロッパ人権裁判所 |
研究概要 |
今回の研究テーマは、イギリス軍事法における「市民法の論理」と「軍事法の論理」との間の対立・妥協のあり方を、軍法会議の改革に焦点をあてて、探り出そうとするものであった。時期として、ヨーロッパ人権裁判所の判決を受け、1996年軍隊法による軍法会議改革が始まり、2000年軍隊規律法による略式命令を含む改革が続き、ヨーロッパ人権裁判所におけるさらなる敗訴が、さらなる改革を迫るという時期だっただけに、大変良いタイミングであった。このような同時進行的な研究活動であったため、軍法会議改革をめぐるイギリス政治全般の展開を追うこともできた。これは、イギリスにおけるシビリアンコントロールの実態を考察する一資料となりうるだろう。具体的な成果としては、軍法会議が「独立のかっ公平な裁判所」と見なされるためにはいかなる工夫が必要とされるか、がヨーロッパ人権裁判所判決の積み重ねの中で一定の定式化、つまり指揮命令系統の裁判手続からの排除、法律家の関与の拡大、軍法会議のメンバーとなる将校の独立性・公平性の確保などとしてなされつつあり、それらを「軍事法の論理」との緊張感の中てまとめることができたことである。 今後の研究テーマを設定する上で、軍法会議改革の他、陸海空三軍それぞれ分離している軍事法制度の統合、兵士の人権問題、国王大権に服する面の多い軍事活動のあり方の再検討など、イギリスにおける軍隊のあり方を大きく左右する事柄の検討が始まっていることは、注目に値する。「21世紀にふさわしい軍隊」に向けてのイギリスでの取り組みは、自衛隊という組織を維持している日本にとっても、比較研究の対象として、今後も重要であろう。
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