研究課題/領域番号 |
13620036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
磯崎 博司 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (40106597)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 生物資源 / 持続可能な利用 / 法原則 / 基準および指標 / 基準 |
研究概要 |
自然保全に関する条約もしくは生物資源利用に関する条約または各国の国内法においては、絶滅のおそれおよび持続可能性に関する原則や基準を提示する努力が続けられている。しかしながら、持続可能な開発または持続可能な利用に関する原則や基準については、持続可能性という概念が広まっている割には議論が進んでいない。 それを受けて、この研究は、生物資源の持続可能な利用に関して法的観点から調査および分析を行い、共通項目を洗い出し、関連条約および国内法令において参考にし得る一般的な原則や基準を探ることを目的とした。そのための手法としては、文献調査とともに、既存条約のこれまでの締約国会議および関連下部委員会などにおいて行われた論議と検討について実態把握を行った。その際、生物多様性条約において採択されてきている「生態系アプローチ」および「アジスアベバ指針」、生物資源利用原則研究会による「生物資源持続可能利用原則案」などを参考とした。また、2002年4月にハーグで開かれた生物多様性条約締約国会議および11月にバレンシアで開かれたラムサール条約締約国会議などの国際会議を利用し、関係者と議論し要点を明確にした。 それらの検討結果を踏まえ、一般化し得る法原則および基準は、いくつかのカテゴリーに分類することができる。具体的には、生物資源利用に当たっての基本項目を提示する「基本原則」、それらの適用に当たり必要とされる「基本手続き」、また、具体的な生物資源の管理に際して必要とされる項目を提示する「資源管理手法」、および、生物資源に関わる法制度、行政制度、経済制度を定める「制度整備」である。 まず、基本原則としては、衡平確保、生態系優先、環境危害防止、予防対応、学際的対応、教育訓練啓発、国際協力があげられる。そのための基本手続きには、情報公開、事前評価、モニタリングが含まれる。そして、資源管理手法としては、生態系に応じた空間および時間枠、権限は地元に、適応型管理、参加型管理が必要とされる。また、制度整備としては、政策および法令の整備、支援措置の提供、慣習的権利および伝統的知識の尊重、司法救済、内部経済化と責任ある商慣行が求められる。 なお、これらの原則などが適切に用いられているか否かを判定するためには、そのための指標群が必要であるが、その検討は今後の課題である。
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