研究課題/領域番号 |
13620047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 修 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40202361)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 最低売却価額 / 抵当権 / 不良債権 / 民事執行制度 / ゲーム理論 / 決定権移動理論 / 不動産執行 / 不良債権処理 / オークション / コーポレートファイナンス / 任意売却 |
研究概要 |
まず、担保権実行をめぐる立法主義、特に引受主義および消除主義の対立とそこでの剰余主義の位置づけを明らかにし、ヨーロッパ大陸法との比較法的考察を踏まえて、そのような立場の対抗の中での日本法における最低売却価額制度の存在意義を確認した。そのうえで、特に、アメリカ譲渡抵当(mortgage)法を取り上げ、90年代のforeclosure改革をめぐる議論を紹介・分析して、低価格・自己競落型の換価のあり方の問題点を検討した。 ついで、二つの経済理論を用いて、最低売却価額制度の効率性の分析をこころみた。第一はコーポレートファイナンスの理論である「決定権移動」理論によるものである。昨年度大枠を仮構しておいた担保権における決定権移動理論を、本年度は、抵当不動産の換価・処分の局面に具体的に応用し、価格決定権の所在の観点から、最低売却価額制度の理論的な性格を明らかにした。第二は、ミクロ経済学の一分野としての、オークションゲーム理論によるものである。広くオーグションの効率的なあり方を探る議論をサーヴェイした上で、留保価格(reserve price)の効率性条件に関する議論が、最低売却価額制度の経済分析にいかなる含意を持つかを検討した。 最後に、最近の東京地方裁判所及び大阪地方裁判所において実施された競売計1500件余りのデータに基づいて、最低売却価額制度の機能を統計的に明らかにした。 以上の検討を基礎に、特に平成14年度に入ってにわかに喧しくなった、最低売却価額制度廃止論の論拠を批判的に検討し、立法論にわたる提言を試みた。
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