研究課題/領域番号 |
13620090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
飯田 文雄 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70184356)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | リベラリズム / 共同体論 / ロールズ / キムリカ / ドゥオーキン / マイノリティー / マリノリティー |
研究概要 |
(1)研究初年度は、リベラル第二世代の具体的な権利要求が、90年代中葉以降いかなる変遷を遂げたかを、具体的権利類型に即して整理すると共に、彼らに対して、90年代中葉以降、第二世代リベラル外部から提起された諸批判を四類型に整理し比較した。その結果、1)これら諸権利は、より具体的な政策的要求に変換する際に、その論者の置かれた状況の多様性に応じて、同一の権利概念が、極めて多様な政策要求を帰結し得ること、2)リベラル第一世代と第二世代の間には、リベラル第二世代の議論が、第一世代の議論の潜在的可能性を利用した点で、一定の重なりが見られる、などの知見が得られた。 (2)第二年目はフェミニズムと多文化主義の両立可能性を巡る論争を素材として、「少数派の権利」概念の両義性や緊張関係に関して考察すると共に、その議論とリベラル第一世代の議論との関係に関しても分析を行った。その結果、1)近年、多文化主義とフェミニズムの主張を架橋する議論として、フェミニズム・多文化主義双方の主張を、平等化の一般理論に包摂する傾向があること、2)こうした多元的な集団共存の問題群は、リベラリズム論争の先行する世代の近年の変化に、大きな髭響を及ぼしていること、等の新たな知見が得られた。 (3)研究最終年度に当たる本年は、「リベラリズム論争」の諸議論、とりわけ政治的アイデンティティー論・権利論の内容を、大戦間期のアメリカ・ヨーロッパリベラルと比較すると同時に、今日の日本におけるリベラリズム研究の現状とも比較した。その結果、1)戦間期リベラルの中心人物としてのマーシャルらの市民権理論に対して、今日重要な再評価の動きがあること、2)近年の日本の新たなリベラリズム論の諸系譜が、主としてナショナリズム論を媒介して、欧米流の「少数派権利」論への接近を示す可能性が存在する、等の新たな知見が得られた。
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