研究課題/領域番号 |
13620101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
片岡 正昭 慶應義塾大学, 総合政策学部, 助教授 (80152669)
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研究分担者 |
伊藤 修一郎 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (70323326)
桑原 英明 常磐大学, 人間科学部, 助教授 (80225325)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 政策イノヴェーション / 政策波及 / 情報公開条例 / 景観保護条例 / 環境基本条例 / 地方政府 / 政策過程 / 地方自治体 / 外国人政策 / 景観条例 |
研究概要 |
本研究は、情報公開条例・環境基本条例・景観保護条例の3つの条例に関して、政策の水平波及に関する政治過程の動態と、その過程における県を初めとする垂直的な政治過程の実態およびその影響力について考察することを目的とした。 研究は、島しょ部を除く関東地方の全市町村を対象として先に挙げた3つの政策領域における条例制定の実態を調査し、条例本文の分析を通じて、その内容的な類型の把握と政策進化の状況を把握した。続いて、それぞれの政策領域で特徴的な状況にある地域を選んで、その条例制定過程の概要と、政策決定過程における諸主体の影響力に関する調査を行い、市町村間の政策の相互参照の動態・府県の政策過程における役割などを解明した。 結論として、各政策領域ごとの政策波及の特徴をまとめると、次のようになる。 (1)情報公開条例 神奈川県・埼玉県のように、県が自治立法を先行させた地域でも、市町村間の政策波及の動態は県の姿勢によって異なり、政策浸透の継続的努力を行った神奈川県では内容・運用面で県の影響力が強い反面、埼玉県では国と近隣市町村の影響が強く、県の影響力は低い。それ以外の県では主に国の影響力による垂直的な波及過程をたどっている。 (2)環境基本条例 政策の波及は主に都市的な市町村に限られ、町村への波及は限定的である。条例内容は市町村が抱える政策課題に沿って条例化が図られており、内容的に環境政策一般の政策手段とする場合と、具体的な環境政策実施のための手段とするところがある。内容的には都市化度が内容の充実度や制定の早さに影響を与えていること、県の促進的な政策が波及に影響を与えていることが確認された。 (3)景観保護条例 景観保護条例には、市町村が抱える政策環境によって内容的に歴史景観・都市景観・その他の3つの類型に分類される。敢策波及における県の役割は弱く、市町村間の相互参照には県境やブロツクによる相互参照の集中が観察されると同時に、全国的に先進的とされる政策モデルに対する相互参照の集中が見られた。 すなわち政策領域の性格によって政策波及のプロセスや相互参照の構造・県の役割は異なり、更なる研究が必要である。
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