研究課題/領域番号 |
13630007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
松嶋 敦茂 滋賀大学, 経済学部, 教授 (00024935)
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研究分担者 |
吉川 英治 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (80263036)
梅澤 直樹 滋賀大学, 経済学部, 教授 (50093563)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 現代功利主義 / 福祉(welfare) / 相互性 / 道徳性 / 合理性 / 契約主義 / 環境思想 / ジェンダー / 契約論 / 自然法 / 正義 / 環境問題 / 道徳 / 目的合理性 / 合意 / アイデンティティ / 会話 / 卓越主義 / 言説 / 社会構築主義 |
研究概要 |
地球環境問題や家族が変容するなかでの高齢者介護問題の深化に象徴されるように、時代がひとつの転換点を迎えているかにみえる現代において、経済学の主潮流を支えてきた功利主義思想にも変化が認められる。すなわち、功利主義思想は20世紀に入って形式的には洗練されながらもJ.ベンサムやJ.S.ミルらが保持していた社会哲学としての実質を希薄化せしめてきた感があったのだが、一方で「正義」をあらためて主題に掲げたJ.ロールズの契約論、他方でF.A.ハイエクらの自然法アプローチに触発され、J.C.ハルシャーニ、R.ヘアー、D.パーフィットらが新たな展開を示し始めた。本研究はそうした現代功利主義の意義と限界を、うえに触れたような時代の課題に関わる諸論議と交錯させながら検証することで、経済哲学の現代的再構築の方向性を見定めようとしたものである。 その成果は研究代表者である松嶋が準備中の著作『経済と倫理』に纏められつつあるが、既公刊のものでは松嶋の「互恵性・福祉・道徳」(『彦根論叢』第340/341号)が大凡の結論を提示している。すなわち、同論文は契約論と功利主義それそれのキーワードである互恵性と福祉(welfare)を手掛かりに、D.ゴティエの所説の検討によって得られた前論文の結論を敷衍して、道徳性の基礎づけには合理性に加えて正義感覚が必要であり、かつ正義感覚に対しては契約論と功利主義の二筋のアプローチがありうることを認めたうえで、後者に前者の契機を織り込む方向に現代的な道徳論の基礎が求められることを展望している。こうした松嶋の展望は、環境倫理学に関わる功利主義者P.シンガーの「動物の権利論」の検討を大きな契機としているが、そのように松嶋の思索に刺激を与えた現代的課題の検討に関わっては共同研究者の梅澤も別掲のような諸論文を発表し、また吉川は別掲の論文とともに、「卓越主義についての一考察-センと共同体主義の比較-」を準備中である。
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