研究課題/領域番号 |
13630010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
足立 英之 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70030666)
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研究分担者 |
柳川 隆 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60247616)
萩原 泰治 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40172837)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 企業の規模分布 / パレート分布 / 規模の経済性 / 比例効果の法則 / 経済成長 / 所得分配 / 学習効果 / 企業の規模別格差 / 学習過程 / 所得分布 / 収益逓増 / 規模別賃金格差 / 新規参入率 / 確立過程 |
研究概要 |
本研究は、平成13年度から15年度にわたって行ったものである。その目的は、企業の規模分布がパレート分布に従うという経験法則を企業行動にもとづいて理論的に説明すること、そして、その法則と企業の規模別格差を考慮した成長モデルを構築し、経済成長と所得分配の動態を理論的かつ実証的に解明することにあった。この研究を通して得られた新たな知見は次のようにまとめられる。 (1)「工業統計表」によって、日本の製造業における企業の規模分布を調べてみると、パレート分布が非常によく当てはまり、しかもその分布は、パレート係数が長期にわたってきわめて安定的であるという意味で、非常に安定していることがわかった。 (2)企業の規模分布がパレート分布になることは、(1)新企業の参入は最小規模から行われこと、(2)各企業は学習過程を通じて新技術を習得すること、(3)各企業は利潤率に応じて投資を行うこと、という仮定のもとで、理論的に導き出される。 (3)企業の規模分布と規模別格差を考慮したマクロモデルを構築し、所得分配と経済成長を説明した。さらに、そのモデルを用いて次のような点が解明された。(1)景気循環を通じての企業数の変化と所得分配の変化の間には逆相関関係がある。(2)ソローモデルと同様に、資本主義経済の長期的成長の定型化された事実を説明されるが、われわれのモデルでは、それに加えて企業の規模構造がどのようになっているかがわかるという利点がある。 この研究のいっそうの展開として、これまでの研究で得られた理論的帰結を、工業統計表等のデータによっていっそう詳しく検証することを計画している。
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