配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
近年,経済サーベイ・データは経済実証分析において盛んに用いられるようになってきた。本研究は,ベイズ統計学の立場から,このサーベイ・データを解析するための手法を開発することを目的とした。また,計量経済学の手法は,実際のデータ解析に使用されてこそ,その有用性が明らかになるとの考えから,所得等の経済サーベイ・データに本研究で開発された手法を適用した実証分析を行った。 具体的には,以下の通りである。 まず,ディリクレ過程事前分布を用いたベイジアン・ノンパラメトリック法をローレンツ曲線やジニ係数の推定に適用した。その際,サーベイ・データに見られる測定誤差の問題を推定と同時に考慮できるモデルを開発した。 経済サーベイ・データの個票データが公表されておらず,その集計データのみが利用できる場合がよくある。そこで,本研究では,ベイジアン混合モデルを用いて集計データから個票データの所得分布を推定する方法を提案し,推定された所得分布からローレンツ曲線やジニ係数を計測した。 更に,Ravallionの研究で指摘された2種類の貧困,即ち,慢性的貧困と一時的貧困をベイジアン混合モデルを用いて推計した。Ravallion等の既存の研究では,得られた貧困度は記述的なものであるが,本研究では,統計的推測が可能となる。 以上の研究を論文の形にまとめ,専門誌に投稿あるいは投稿準備中である。既にそのうちの1本の論文はJournal of Econometrics誌に掲載されている。また,本研究の成果である論文をオーストラリア及びインドで開催された国際コンファレンスにて発表した。
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