研究概要 |
本研究費では、従来の非定常時系列を自己回帰および移動平均を合わせて持つベクトル時系列に拡張する研究を行った。これはベクトルの自己回帰移動平均過程が単位根を含む場合である。最近の用語を使えば、共和分分析の内でも特にベクトルARMS過程に研究の焦点をあてた。従来の共和分の研究は、世界的にもAR過程にのみ関心が払われてきた。またベクトルMA過程の研究も多少見られるようになってきた。この研究プロジェクトではARとMAを統合するARMS過程から、検定および推定を考え直した。実証分析的には、自己回帰の方が直感性に優れているが、自己回帰によって自己回帰移動平均モデルを書き直していき、その際の精度の減少具合を検討した。一般に強い系列相関が存在することが知られているリスクについて,連検定,自己相関検定,分散比検定などを使った実証分析が行われる.系列相関を利用したシミュレーションにより,その実務的な有効性の検証をおこなった.標準偏差というボラティリティーの計測指標は,終値と始値の2点だけの情報を基に計測した,大雑把なボラティリティーの指標である.精度の高いボラティリティーの推定・予測を行う試みとして,高値や安値といったレンジ(変動範囲)や,短期データ(ハイフリークエンシー・データ)の情報を用いた予測方法に関するレンジベースやイントラデーのデータを使用したボラティリティーについて,1変量と多変量に分け,データの種類や予測期間,予測手法やパラメータを可変とした予測精度比較を行っている.
|