研究概要 |
個別保険リスク評価や金融と保険の合流の視点から 1)自動復元構造をもつ保険、得に火災保険のプライシング問題 2)生命保険のプライシング間題 3)保険リスクと金融リスク,事業リスクの合成保険問題 4)気温リスク評価に関して基礎評価モデルの開発,モデル下での東京電力と東京ガスの気温リスクスワップ 5)不動産に関わるリスク評価モデルの開発,価値評価,賃料保証の価値評価法,更に商業ビルの価値評価モデルの開発と固定賃料と変動賃料の組合せ問題を考察した。 1)現在の火災保険は、火災の損害額が設定された額の一定割合以下の場合、残る期間に対し100%の権利が自動復元する。 このような火災保険商品の再帰性に着目したプライシングである。 2)生命保険は一般的に死亡保険、生存保険の両方を合わせたものである。 これらの単一もしくは複数の生死に関わる保険のプライシングを行なった。 プライシングの視点は、個別保険無裁定プライシング原理に基づく。 3)保険リスクと金融リスクの合成商品の設計問題、リスク評価問題を考察した。 伝統的な銀行業や保険業ではリスクを自らのポートフォリオの中にプールするが、そのリスクが互いに関係ない限りリスクプールを合併して保有した方が効率が高くなると刈屋(2001)は示す。 この視点から信用リスクと保険リスクを合成した商品のプライシングを行った。 4)気温リスクに関するデリバティブや、保険の価格評価の基礎となる気温プロセス時系列モデルを開発した。 ARCH型気温モデルとストキャスティックボラティリティの2モデルの有効性を確認した。これをもとに東京電力と東京ガスの気温リスクスワップの合理性を検証した。 5)不動産の価値評価問題に関わり不動産賃料保証のプライシング法を考察した。これは賃料保険の価値評価の問題でもある。 また商業用ビルのテナントマネジメント法を開発し最適解を求めた。
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