研究課題/領域番号 |
13630037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
椎名 恒 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50281762)
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研究分担者 |
佐藤 真 岩手大学, 教育学部, 助教授 (00192097)
中山 徹 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (40237467)
木村 保茂 北海学園大学, 経済学部, 教授 (40003959)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ダム建設 / 不安定雇用 / 季節労働 / 労働過程 / 教育訓練 / 建設労働者 / 公共土木事業 / 生産システム / ダム工事 / 公共事業 / ゼネコン / 土木 / 労働力陶冶 / 労働市場 / 労働組合 / 建設労働 / 季節労働者 / 労働編成 / ホームレス |
研究概要 |
本研究は、第一に建設事業のなかでも解明が遅れている土木事業の社会的経済的構造を、工事内容や労働力編成に関する統計処理を通じて工事の類型化による分析的把握を行った。第二に調査対象である忠別ダムがコンクリート堤体とフィル堤体を複合させたユニークな日本有数のダムであることを、戦後日本のダム建設事業の足取りのなかに位置づけ、第三に、堤体コンクリート打設における合理化工法であるRCD工法など施工技術-工程や複合的な施工体系による複雑なJVを頂点とする施工体制の実態と性格を捉えることによって、それらを担う労働力の陶冶について、技術的な意味とともに広く社会的な意味でも把握し、労働者の自立的形成の水準と労働組合運動の可能性を探った。これらを通じて得られた成果-知見としては、第一に土木事業のトータルな工事別就労者数とその職種別編成を明らかにし、労働力編成の特徴による土木事業の類型的把握によって各土木事業の性格を把握する試みを達成した。第二に戦後建設労働問題研究の起点となってきた佐久間ダムの研究(日本人文科学会)以降の主要なダム労働研究のフォローを踏まえ、ダム建設事業とそこでの労働の今日的到達点を示し、またこれまでの氏原正次郎らの佐久間ダム研究が、技術革新が建設労働者に及ぼした影響を楽観的に把握され、向じ佐久間ダム研究を行った高木督夫や嶺学、近松順一らの把握からしても再考の余地を残すものであったことを忠別ダム工事の研究を通じてあらためて明らかにした。第三にダム建設労働者の地域との関係によって(1)地元通勤者、(2)宿舎長期利用者(道外者など)、(3)宿舎・自宅通勤併用者(週末型通勤道内居住者)の3タイプの存在と、このうちの(1)(3)のタイプにおける地域との接点における諸活動や労働組合などとの関連が、ダム労働者の陶冶を促進する契機の一つになっている事実を突き止めた。
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