本研究は、先進国および発展途上国の6力国における住宅抵当貸付金融システムの比較分析を行ったものである。特に日本およびインドにおいては、まさに住宅金融システムの改革を経験しているところであり、その意味でも本研究の与える政策示唆は意義深い。いずれの国においても、人々は住宅の購入に対し強い希望を追い続けている。しかし、現金で一括支払いできる十分な資金を持ち合わせておらず、住宅融資に頼らざるを得ないのが現実である。そこで、借入による資金調達は、住宅の一括支払いに対する代替策として全世界において発展してきた。いかなる国の金融政策担当者も自己所有の住宅購入に対して、より効率的に融資可能な制度を生み出そうと模索している。賃貸や持ち家といった住宅形態、リスク配分、そして経済的かつ制度的な背景が、異なる国々での抵当貸付に見られる重要な策定の相違に関係している。本研究は特に日本、米国、英国、オーストラリアの4先進国、ならびにインド、タイの2途上国に焦点を当て、住宅金融政策の比較分析を行った。分析を通じ、各国で見られる抵当貸付システムが、その他の国においても適用可能であることが明らかとなった。
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