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国際公共財としての知的所有権システムと特許競争のフロンティア

研究課題

研究課題/領域番号 13630053
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経済政策(含経済事情)
研究機関京都大学

研究代表者

坂井 昭夫  京都大学, 経済研究所, 教授 (20067713)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードバイオ関連特許 / ビジネス方法特許 / パブリック・ドメイン / プロパテント / ベンチャー企業 / ニューエコノミー / 国際公共財 / 国際特許競争 / ビジネスモデル / バイオ医薬
研究概要

(1)1998年、アメリカで特許に関する印象的な出来事が2つ、相次いで起きた。1つは、7月23日に連邦巡回控訴裁判所(CAFC)がステート・ストリート銀行事件に関してビジネス方法に特許性を認める判決を下したこと。もう1つは、10月6日にインサイト社が米国特許商標庁(USPTO)から遺伝子断片特許を付与されたたこと。以来、ビジネス方法とバイオテクノロジーを中心にUSPTOに対する特許出願が急増をみた。ビジネスの手法や遺伝情報には国際公共財としての性格があるので、その出願ブームとともに人類共通の利益と知識・情報の私有化との相克が深まることになった。
(2)近年における特許のバイオ研究への拡張は、希少資源の過少消費を意味する「反共有地の悲劇」(ヘラー=アイゼンバーグ論文、1998年)が起こりつつあることを示唆する。ゲノム創薬プロセスの上流における遺伝子特許の乱立は、遺伝子情報という基礎研究成果-以前ならパブリック・ドメインに置かれて誰もが自由に使えたであろう-の私有化によって、製薬会社によるそれらの利用を制限し、下流の診断・治療薬開発のコストを高め速度を遅らせることになろう。USPTOは特許プールの活用で問題を解決できると主張しているが、ゲノム創薬の領域では特許プールの効果は疑わしい。
(3)ステート・ストリート判決以降、ビジネス方法特許とくにEコマース特許の激増がみられた。この近年の特許洪水に伴って、幾つかの問題(質の低い特許、訴訟の増加、累積的革新の遅れ等)が生じた。USPTOはビジネス方法特許の質を向上させる諸措置(2003年のアクションプラン)を講じたが、より根本的な問題が残されている。最も重要なのは、今日のビジネス方法への特許保護が米国特許法の主目的である技術革新を促すよりもむしろ遅らせるものであり、ゆえに特許制度改革を具体的に構想するべきだということである。

報告書

(4件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (21件)

  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "アメリカのニューエコノミーと日本"金沢経済大学論集. 35・2. 91-100 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "NIPAデータにみる「米国20世紀末景気」の特質"KIER Discussion Paper. 0103. 1-33 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "米国「20世紀末景気」を支えたメカニズムとその限界"ESP. 366. 20-23 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "米国バイオ関連特許の発展とその含意"経済論叢(京都大学). 173・1. 35-52 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "アメリカにおけるビジネス方法特許の動向とその問題点"KIER Discussion Paper. 0306. 1-36 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "アメリカのバイオ関連特許をめぐる問題状況"KIER Discussion Paper. 0402. 1-40 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akio Sakai: "New Economy in the U.S. and Japan"Kanazawa-Keizaidaigaku Ronshu. 35(2). 91-100 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akio Sakai: "Characteristics of U.S. Economic Boom in 1990's : Vertification of NIPA Data"KIER Discussion Paper. No.0103. 1-33 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akio Sakai: "The Mechanism of U.S. Economic Boom in 1990's and Its Limit"ESP. No.366. 20-23 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akio Sakai: "Bio Patent in the-USA: Its Development and Meaning"Kyoto University Keizai-Ronso. 173(1). 35-52 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akio Sakai: "The Trend of Business Method Patens in the U.S. and the Point at Issue"KIER Discussion Paper. No.0306. 1-36 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akio Sakai: "Bio-related Patens in the U.S. -Rivalry between "Common Interests of Mankind" and "Privatization of Research Results"-"KIER Discussion Paper. No.0402. 1-40 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "米国バイオ関連特許の発展とその含意"経済論叢. 173・1. 35-52 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "アメリカにおけるビジネス方法特許の動向とその問題点"KIER(京都大学経済研究所). 0306. 1-36 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "アメリカのニューエコノミーと日本"金沢経済大学論集. 35・2. 91-100 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "「ニューエコノミー論」考"京都大学経済研究所『KIER』. 0102. 1-31 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "NIPAデータにみる「20世紀末景気」の特質"京都大学経済研究所『KIER』. 0103. 1-33 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井 昭夫: "米国「20世紀末景気」を支えたメカニズムとその限界"ESP. 366. 20-23 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井昭夫: "アメリカのニューエコノミーと日本"金沢経済大学論集. 35・2. 91-100 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井昭夫: "「ニューエコノミー論」考"京都大学経済研究所『KIER』. 0102. 1-31 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 坂井昭夫: "NIPAデータにみる「20世紀末景気」の特質"京都大学経済研究所『KIER』. 0103. 1-33 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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