研究課題/領域番号 |
13630078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 四日市大学 |
研究代表者 |
稲垣 秀夫 四日市大学, 経済学部, 教授 (70159937)
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研究分担者 |
赤木 博文 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (30254270)
鎌田 繁則 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (70214509)
森 徹 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (60134160)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | DRG-PPS / 患者の選択行動 / 国民医療費 / 償還コストのスウィングバック / 出来高払 / 患者の便益 / 病院の利益 / 組み合せ支払システム / 包括支払 / モノ / サービス / 実験経済学 / 過剰診療 / 過少診療 / 代理人 / 報酬単価 / 患者選別 / 実験経済学的手法 / 混合支払 / dumping / 医療費 / swingback |
研究概要 |
DRG-PPSは国民医療費、特に病院への支払を削減するためにアメリカや他の先進諸国で導入された。日本政府も現行の診療報酬制度にDRG-PPSを導入しようとしている。しかしながら、日本の医療サービス市場は患者による病院へのフリーアクセスによる病院間の熾烈な競争にさらされている。したがって、日本の医療サービス市場へDRG-PPSを導入することの諸経済効果を明らかするためは、患者が繰り返し病院を選択できる動学的な分析フレームワークを用いた分析が必要であると考える。 本研究では、次の3点ついて検証を行った。 1)DRG-PPSの導入が患者一人当たりの医療サービス水準を引き下げるか引き下げないか 2)医療サービスコストのスウィングバックが次期に生じるのか生じないのか 3)どのような診療報酬支払方式が医療サービスの最適供給を実現できるのか 分析の結果を要約すれば、先ず第一に、各病院がそれぞれ異なる代理人係数(患者の便益にどの程度配慮するかを示す指標)を有しているにも関わらず、定常状態で供給される患者一人当たりの医療サービス水準はすべての病院で同一となる。この場合、DRG-PPSの導入は出来高払制の下での医療サービス水準を引き下げる。 次に、均衡へ収束する動学経路を観察すると、医療費サービスコストのスウィングバックが生じることが分かった。このスウィングバックは、定常状態での医療サービスコストがDRG-PPSの導入時期よりも将来期間において大きくなることを表現している。この現象はいくつかの病院が自己の利潤より患者の便益を極端に尊重する時に生じる。 最後に、ある特定な条件下で、患者便益から医療サービスコストを差し引いた純便益を最大にする出来高払と包括払いを組み合わせる診療報酬制度が存在し得ることが明らかになった。
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