研究課題/領域番号 |
13630140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
延岡 健太郎 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90263409)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 商品開発 / 情報技術 / 三次元CAD / 企業間ネットワーク / フロントローディング / 組織能力 / 3次元CAD / 企業間関係 / トップマネジメント / ネットワーク / 製品開発 / 企業間信頼 / 戦略的意思決定能力 |
研究概要 |
商品開発ネットワークにおける情報技術の戦略的活用に関して、本研究プロジェクトから次の3点が明らかになった。 第一に、ネットワーク企業間においても、三次元CADを有効に利用するためには、やはりそれを導入するだけではだめだということである。特に鍵になるのは、企業間の協同プロセスにおけるフロントローディング実施能力だということが実証された。製品開発プロジェクトの早い段階において、ネットワーク企業の衆知を結集して、共同問題解決を実施するための組織とマネジメントが必要なのである。しかし、既存の組織ルーチンを迅速に変革することは、特に企業間にまたがる場合には非常に難しく、三次元CADによって可能になるはずのフロントローディングが、効果的に実施できていない企業が多く見られた。 第二に、商品開発ネットワークにおいては、ネットワーク全体にわたる企業間学習と信頼(ネットワーク信頼とよぶ)が重要な役割を果たしていることがわかった。ネットワーク全体における組織間学習の活性化によって、メンバー企業全体のケーパビリティが底上げされる。つまり、組織間学習を促進する重要な要因がネットワーク信頼なのである。ネットワーク信頼を構築するためには、ネットワーク内のメンバー企業間でのアイデンティティ確立、関係的信頼の構築、および知識や価値観の共有が鍵となることがわかった。 第三に、情報技術導入に際して、戦略・組織についても大幅に変化させる必要があり、そのためにはトップマネジメントの役割が非常に大きいことが明らかになった。ただし、日本的経営の強みであるもの造りに関する組織プロセス能力を十分に理解した上での改革が特に大事であることがわかった。 今後の研究としては、具体的に、日本的組織能力の強みを、最新の情報技術へ融合していく具体的な方法について理論的・実践的に明らかにする必要がある。
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