研究概要 |
本研究の目的は,長期存続企業を主な対象として,企業の持続的競争優位性(サステナビリティ)の構築と,それを管理する方法論を明確にし,理論の一般化を試みることである。当初の目的を達成するために平成13年度からの3ヵ年の期間で行われたものである。 実際の研究は,理論サーベイと事例研究,およびアンケート調査を中心として進められた。研究期間の前半は,理論サーベイに重点を置いて研究が進められた。最新の研究成果に対して積極的なアプローチを行い,長期存続企業のサステナビリティの源泉についての検討が行われた。 日本各地の長期存続企業に対するインタビュー調査に基づく,事例研究からは,21世紀を超えて生き残る企業にとって不可欠な課題である,グローバル化,IT化といった経営環境の変化への対応策を明らかにされている。さらに,対処療法的な短期的施策だけではなく,長期的な視点に立脚した継続的な競争優位性の構築と,管理手法についての考察を試みている。 報告書では,日本各地の長期存続企業の事例を集め,長期存続企業のマネジメントについて説明を加えるとともに,本研究プロジェクトが中心となって実施した企業博物館に関するアンケート調査結果の概要について掲載されている。さらに,競争優位性の構築に至るプロセスの確認,および長期存続企業の競争優位性の管理のあり方についての試論が、長期存続企業のマネジメントに関するエッセンスの抽出というかたちでまとめられている。
|