研究課題/領域番号 |
13630153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
井上 正 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (70151610)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 職務配置 / 情報の非対称性 / 世代重複モデル / 企業特殊人的資本 |
研究概要 |
ある企業が、他企業に勤務する労働者を新たに雇おうとする場合、雇い入れ企業は労働者の(生産)能力レベルに関しての情報について不利な立場にある。この不利な状況を克服するため、労働者の能力に関し不正確ではあるが、一つのシグナルとして労働者の現在の「職務配置」を使うことができると考えられる。職務配置を観察することで、現在労働者が勤務する企業と、これからこの労働者を雇い入れようとする企業間の労働者の能力レベルに関しての情報の非対称性は、幾分和らげられる。 このような状況の下で、本研究では、次の3つの事柄を明らかにした。第1に、賃金は、能力レベルよりも、むしろ職務に関連する傾向があるということ。第2に、従業員の職務配置は、しばしば非効率に行われる傾向があること。第3に、この非効率の程度は、「企業特殊人的資本」のレベルと負の相関の傾向があるということ。これらの課題を分析するため「世代重複モデル」を用いて分析を行った。 従来、このような課題に関しては、2つのアプローチが取られてきている。1つは、ある企業によって明らかになった従業員の能力に関する情報は、すべての企業が手に入れることができるというもの。もう1つは、その情報は、現在従業員を雇用している企業のみに明らかになるというものである。本研究では、後者の仮定に依拠しながら、上記の3つの問題点を議論した。昨年度の研究では、賃金は能力レベルよりも、むしろ職務に関連する傾向があるという第一の課題を明らかにし、本年度は、従業員の職務配置は、しばしば非効率的に行われる傾向があること。そして、この非効率性の程度は、「企業特殊人的資本」のレベルと負の相関の傾向があるということを明らかにした。
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