研究分担者 |
天野 一男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90137795)
池畠 優 群馬大学, 工学部, 教授 (90202910)
斎藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
桂田 昌紀 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90224485)
佐藤 久 群馬大学, 工学部, 助手 (60008513)
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研究概要 |
q-関数の特殊値についての研究を行い,次に述べる4つの成果を得た.第1に,多項式係数2階同次q-差分方程式の解の特殊値の1次独立性を示し,さらにその1次独立度を評価した.この結果は,その特別な場合として,ある種の連分数(Rojers-Ramanujan連分数を含む)の無理数度の評価を導く(T.Matala-aho氏(オウル大学)との共著論文が日中共同セミナーの報告集に掲載予定).第2に,線形回帰数列の積の逆数を係数に持つべき級数について,その特殊値の1次独立性を示した.これは,Bezivin氏の結果(Manuscripta Math.,1988;Acta Arith.,1990)を一般化するとともに,その応用としてq-超幾何級数の特殊値の1次独立性についての詳しい結果を導く(K.Vaananen氏(オウル大学,海外共同研究者)との共著論文がThe Ramanujan J.に掲載予定).第3に,一般化されたチャカロフ級数について,その特殊値の無理数度の評価を改良した.さらに,いくつかのチャカロフ級数の特殊値について,その1次独立性を示した(桂田昌紀氏(慶應義塾大学,研究分担者)との共著論文がJ.Number Theoryに掲載予定).第4に,テータ級数の特殊値の1次独立性を示した.代入する値について強い条件が付くものの,この種の結果は今までになく,今後の進展が期待される成果である(Vaananen氏との共著論文を投稿中). 上記の研究を遂行するに当たって,研究代表者は,当該研究費補助金によりフィンランドへの渡航を2回行った(2001年8-9月;2002年8-9月).共に,オウル大学のVaananen氏およびMatala-aho氏を訪ねたものであり,上記の研究成果を得るために大きな役割を果たした.
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