研究分担者 |
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10186869)
大渕 朗 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10211111)
田島 慎一 新潟大学, 工学部, 教授 (70155076)
徳永 浩雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30211395)
秋山 茂樹 新潟大学, 理学部, 助教授 (60212445)
|
研究概要 |
n+1次元射影空間Pのd次非特異超曲面をVとし,その関数体をK=k(V)とする。Pの点Pを中心としたVから超平面への射影を考え,この射影が決める体の拡大をK/K_Pとおき,この拡大の代数的構造とVの幾何学的構造の比較研究を行った。この拡大がガロワ拡大のとき,Pをガロワ点という。また,一方拡大K/K_Pのガロワ閉包をL_Pとし,ガロワ群Gal(L_P/K_P)をG_Pとおく。これを点Pでのガロワ群という。このとき,次の問題を中心にして研究を行った: 1.ガロワ点をすべて見つけその分布の法則も見つけること。特にその個数を決定し,最大値を与える多様体の特徴付けも行うこと。またガロワ点でのガロワ群を決定すること。 2.各点Pでのガロワ群G_Pを求めてすべての中間体を決定し,それらを非特異モデルとする多様体を決定すること。 その結果次の成果を得た:Vがd(>3)次の一般的な超曲面ならガロワ点は存在しない。一方、Vを与えたときPが一段的ならG_Pは対称群である。そこで特殊な超曲面に関してガロワ点の存在を研究した。Pがガロワ点ならG_PはPがVの点でないか,そうであるかに応じてdまたはd-1次の巡回群である。更にガロワ点の個数の評価式も求まった。すなわち、PがVの点でd=4ならその個数は4([n/2]+1)以下であり、d>4なら[n/2]+1以下である。また、PがVの点でないならn+2以下であることも判明した。特にVがフェルマー多様体である必要十分条件はガロワ点の個数が最大値をとるときであるという新事実も発見した。更に,これら最大値を取るすべての場合の定義式の標準型も求まった。
|