研究概要 |
平成13〜15年度の科研費研究の成果の内、主要なものを4つ述べる。以下、P:素数とする。 (A)Kを実アーベル体,K_∞/Kを円分Z/p拡大,K_nをそのn-thlayerとする。K_nの類群のp-partをA_n, A_∞=lim__→A_nとする。A_∞=0と予想されているが解決には程遠い。A_0のA_∞に於る像をA^^〜_0とする。商A_∞/A^^〜,をK_∞に付随するあるガロア群の言葉で記述し,それが0になる条件を与えた。これは、ある整巾基底の問いから派生した結果である。 (B)KをS_pεKなる虚アーベル体,K_∞,K_nは(A)と同じとする。aをK^+_nのsquare freeな整数とする。どのm(z, n)の対して、K_m(a^<1/8>)/K_mが整数底(NIB)を持つか否かをP進L関数に付随する岩澤多項式の言葉で記述した。 (C)FをS_p【not a member of】Fなる代数体,K=F(S_p)とする。P次不分岐巡回拡大N/Fに対して,N/FがNIBを持つ事とNK/KがNIBを持つ事が同値な事を示した。P=3,P=虚2次体の場合は既にBrinkRuisによって知られている。その大幅な一般化である。いくつかの応用も与えた。 (D)Gomez Ayalaは、素数次のKummer拡大がNIBを持つための必要十分条件を与えた。これを一般の巡回Kummer拡大に対して拡張した。その応用として、任意の代数体F, m【greater than or equal】2に対して有限次拡大H/Fが存在して、Fのすべてのexponent mのアーベル拡大Nに対してNH/HがNIBを持つ事を示した。これは、整数環についての一種の"単項化"定理である。
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