研究分担者 |
住岡 武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90047366)
兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
津島 行男 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047240)
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
浅芝 秀人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70175165)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
次数2のSiegel尖点形式に付随したspinor L函数の函数等式の中心における特殊値に関するBochererの予想およびその一般化を,相対跡公式によって証明しようという研究を進めた。相対跡公式を証明するにあたっては,「基本補題」と呼ばれる,局所体上の軌道積分の等式を示すことがまず最初に必要な作業である。「補題」という呼び方が誤解を与えるかもしれないが,この等式の証明は自明なものとはほど遠く,多くの場合,大変な困難を伴って証明されるものである。我々の場合もその例外ではなく,基本補題の証明は2次の対称行列を変数とする一般化されたKloosterman和の間の等式を示すことに帰着された。著書は,その計算を実行し,Hecke環の単位元に関する基本補題を証明したものである。その次になされるべきは,基本補題をHecke環のすべての元に対して拡張することである。そのために必要なBessel transformに関するPlancherel測度は既に求めた。これから得られる反転公式を用いると,Hecke環の一般の元についての軌道積分は単位元に関する軌道積分を主要項として,それに単位元に関する退化した軌道積分の有限和を加えることによって表される。これらの退化した軌道積分の計算は既に終了している。したがって,残るはこれらの有限和を比較することである。この作業もまもなく終了する予定である。
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