研究概要 |
研究代表者が中心となってまとめた研究成果に限って,それらの概要を述べる. 1.Castelnuovoの種数評価式を新たな視点から解釈し,「特殊因子のorder of speciality」という概念を提案した.そして,その最も極端な場合の分類を試みた.[Homma-Ohbuchi(Far East J. Math. Sci.,2002),Ballico-Homma-Ohbuchi(Journal of Korean Math. Soc., 2002)] 2.代数曲線上の2点を台に持つ因子から得られる符号について,1点符号の場合のGarcia-Kim-Laxの定理に相当する事柄をWeierstrass pairの理論の枠組みで定式化し,それをHermitian曲線の場合に適用することによって,1点符号よりもパラメータの意味で良いものが構成できる事を示した.[Homma-Kim(J. Pure Appl. Algebra, 2001)] さらに,研究期間の終盤にHermitian曲線上の2点を台に持つ因子から得られる符号全体の最小距離についての記述方法を見出すことができ,現在研究が進行中である.これについての結果の公表までには今しばらく時間がかかる見込みである. 3.前回の科学研究費補助金による研究「代数関数の存在様式の研究とその符号理論への応用(1998年度〜1999年度)」の下での作品"M. Homma, S. J. Kim and M. J. Yoo, Projective systems supported on the complement of two linear subspaces, Bull. Korean Math. Soc. 37(2000), 493-505"の主定理の証明で,基礎体がただ2つの元からなる場合に,われわれの議論が通用しないことを分担者のひとりである加藤によって指摘された.そこで,その証明を見直し,あらたな着想による,我々が見過ごしてしまった場合を含む新しい証明を与えた.[to appear in Bull. Korean Math. Soc.] 4.2002年1月28日-31日の日程で山口大学において「代数曲線論国際会議(Curve 02)」を開催し,報告集を作成した.これは当成果報告集の付録Bとして添付されている.
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