研究概要 |
Leopoldt予想についていくつかの方向から調べた中で,A.Brumerの定理の代数的別証明については,次の事が成果として挙げられる.アーベル拡大Κ/κにおいて,κでLeopoldt予想が成り立ち,更にΚ/κのすべての巡回的中間体でLeopoldt予想が成り立てばΚにおいても成立する事は既知であった.この結果は,相対アーベル拡大におけるLeopoldt予想をその巡回中間体の予想に帰着させるものであり,代数的別証明という観点からは重要なものである.本研究において私は相対単数を用いる別証明を得た(Tokyo Metropolitan Univ.Preprint Series 2004:No.9).ガロア群の構造をできるだけ用いない,という問題意識での一つの試みから得た別証明である.また,κが有理数体で,Κが素数q次の巡回拡大のとき,pがqを法として原始根ならばLeopoldt予想が成立する事は証明されている.これ以外の条件での予想の成立にっいて調べq=3の場合に結果を得,それによりΚが有理数体上(3,…,3)型アーベル拡大のときにすべての素数p(>3)についてLeopoldt予想の成立を示す事ができた.証明には単数のフェルマー商を用いる.現在,一般のqの場合を調べている. 尚,最も基本的なアーベル体である二次体について調べる中で,虚二次体の類数に関する公式について一つの拡張を得た.これは,いわゆるOno's Numberの拡張である.同様のものを実二次体で考察した.
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