研究分担者 |
小林 真人 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (10261645)
河上 肇 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20240781)
舘岡 淳 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (40006565)
鳥巣 伊知郎 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (50323134)
宇野 力 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (20282155)
坂 光一 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (20006597)
|
研究概要 |
平成13年度は,南部・ヤコビ構造のポアソン化の研究の第一歩として,余階数が2以上の接分布について,そのannihilator subbundle D^*の開部分多様体Sがsymplectic submanifoldである事と,接分布Dの幾何学的性質との関係を研究した。余次元2の場合,多様体Mの次元は偶数でなければならず,然るときannihilator subbundleの開部分多様体Sがsymplectic submanifoldになる自明でない例として,4次元多様体のEngel分布を見つけた。この経緯は2001年8月のリオデジャネイロにおける「Foliation 2001」国際研究集会,2001年10月の新潟大学理学部数学教室談話会,2001年11月の大垣市での「Symplectic幾何とその周辺」研究集会で発表した。これらの発表に対する質疑応答を通して,2次元分布であれば余階数が何であってもそのannihilator subbundleの開部分多様体8は必ずsymplectic submanifoldになることがわかった。この成果は今論文にまとめる準備中である。 平成14年度は,2-ベクトル場から生成される接分布にも注目した。我々の得た主な結果をAlan Weinstein (Univeristy of California, Berkeley)とIzu Vaisman (University of Haifa)に問い合わせたところ,オリジナルな興味深い結果とのコメントを得ている。口頭発表は,2002年11月の北京における「China-Japan Joint Workshop on Mathematical Physics」国際研究集会で三上が,"Geometries of distributions"なるタイトルで,2002年11月の秋田での「シンプレクティック幾何とその周辺」研究集会で児玉裕介(三上の指導する修士課程1年生)が"手作り数式処理プログラムの応用例"なるタイトルで,それぞれ部分的な結果を発表した。現在,水谷忠良氏(埼玉大学理学部)と"Integrability of Plane Fields defined by 2-vector Fields"なる仮タイトルで論文を共同執筆中である。また,これ等の研究でのπから決まる接分布は必ず偶数であるが,ヤコビ構造をポアソン化する際のアイデアを元に,水谷忠良氏(埼玉大学理学部)の協力を得て,ジェットバンドルでの研究をモデルに,2次と1次ベクトル場の組に対し拡張を工夫しながら,南部ヤコビ括弧積のポアソン化の手がかりを得た所であり,この手がかりを保証するモデルを求めて今後多くの思考実験を続ける所存である。
|