研究概要 |
本研究の研究代表者(河上)は,第一年は以下の研究を行った。 ・(金沢大学の土谷教授との共同研究)C^<r,α>多様体並びに多様体対(ただしrを正整数とし,0<α【less than or equal】1とする)のsmoothingが可能であることを,J.R.Munkresの方法に類似の方法で示した。またC^r多様体とC^<r,α>多様体のホイットニー位相に関する相違を指摘した。以上の結果を項目11の論文で発表した。 ・(尚美学園の村山恭平氏らとの共同研究)コンピュータ・ネットワークによる数学教材の提供について研究した。その結果を項目11の論文で発表した。 第二年は以下の研究を行った。 ・(金沢大学の土谷教授との共同研究)"[BC]:Kurt Bryant and Lester F.Caudill Jr.,Inverse Problem 14 1429-1453(1998)"の一般化を行った。[BC]では背面の形状を一意的に決めるために無限時間区間でのデータを必要としているが,有限時間区間でのデータでも十分であることを示した。 ・2次元リーマン多様体内の円盤(と同相な領域)上で,ガウス曲率が正(または負)となるようにリーマン計量を変形できるための必要十分条件は,ガウス・ボンネの定理によって与えられるのではないか,との予想の部分解を得た。(投稿準備中) 多様体の特異性に関連して,研究分担者(小林)は,写像のdiscriminantに関する以下の考察を行った。第一年では,写像の性格を規定してしまうdiscriminantを発見した。これを利用して,ひとつの閉多様体に,同じdiscriminantを持ち,互いに異なるA-類を持つ写像を,可算無限個構成した。第二年では,閉曲面の平面像(discriminant)を形成する平面曲線を特徴付けた。また,球面上の球面バンドルに,バンドル射影から誘導される自然な平面投影を与えた。この投影のdiscriminantに対する研究を行った。
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