研究分担者 |
佐藤 肇 名古屋大学, 多元数理, 教授 (30011612)
待田 芳徳 沼津高専, 助教授 (90141895)
石川 剛郎 北海道大学, 理学研究科, 助教授 (50176161)
木曽 和啓 愛媛大学, 理学部, 教授 (60116928)
阿賀岡 芳夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50192894)
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研究概要 |
これまでフィルター付き多様体上の幾何構造・微分方程式にづいて巾零幾何・巾零解析の観点から一般理論を展開してきたが,近年,様々な具体的な幾何構造に対してそれらの理論を適用しながらより詳しい研究を進めている.特に,サブリーマン多様体の研究では,幾何構造に対する森本の一般理論をサブリーマン構造に適用することにより,「生成条件(Hormander条件)と1次近似一定の条件(ある種の正則性の条件)を満たすサブリーマン構造に対してカルタン接続を構成することができる」という顕著な定理を得た.サブリーマン構造の曲率というべき不変量については,これまでほとんど分かっていなかったが,この定理によりサブリーマン構造の不変量が付随するカルタン接続の曲率から一斉に得られるごとになるのである.さらに,この定理を中心に特に次の研究も進めた. 1.サブリーマン接触構造について前述のカルタン接続を用いてその曲率を詳しく調べた. 2.サブリーマン構造の曲率を,カルタン接続を経由しないで,線形接続からより直接的に導入すること,そしてそれを解析的な研究に応用することについて,研究を進めた. 3.等質なサブリーマン接触構造の自己同型群について研究を進め,特に,その群の次元がとり得る最大次元に達するとき,自己同型群のリー環を決定して,同型類は3つに分かれることを証明した.さらにこの自己同型群を持つ単連結なサブリーマン多様体を決定した. 4.「1次近似一定」の条件が満たされない非推移的な構造に対しても系統的に不変量を構成するために,"一般化されたカルタン接続"の理論を建設中である.
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