研究分担者 |
安藤 良文 山口大学, 理学部, 教授 (80001840)
小宮 克弘 山口大学, 理学部, 教授 (00034744)
内藤 博夫 山口大学, 理学部, 教授 (10127772)
柳 研二郎 山口大学, 工学部, 教授 (90108267)
中内 伸光 山口大学, 理学部, 助教授 (50180237)
井上 透 山口大学, 理学部, 教授 (00034728)
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研究概要 |
Hesse構造とは平坦接続DとRiemann計量gの組(D,g)からなり,Dに関するアファイン座標系によってgがHesse形式として表されるものをいう.複素多様体上で正則座標系に関してComplex-Hesse形式で表される計量がKaehler計量であるから,Hesse構造はある意味でKaehler構造のReal-版であり,Hesse構造の幾何学とKaehler幾何学の間には密接な関連がある. 実際,Hesse多様体の接ベクトル束はKaehler多様体であり,Kaehler幾何学に類似する多くの結果がHesse幾何学においても成り立つことが分かった.例えば,Kaehler等式に類似の等式,アファイン不変量であるアファインChern類の概念を得,さらには平坦接続Dを用いてDolbeault複体に相当する複体を構成し,そのコホモロジーを使ってSerre双対定理や小平-中野型消滅定理に相当する結果を得た. アファイン微分幾何学との関連ではHesse構造を与えるポテンシャル関数の等位面の考察から,S.S. Chernが提起した「アファインBernstein予想」がこの場合成り立つことを証明した. Lie群との関連では,等質Hesse多様体の構造の決定,不変射影的平坦接続を持つ半単純対称空間と中心単純Jordan代数との1:1対応,定曲率Codazzi構造を持った等質空間の特徴付け等を得た. 情報幾何学との関連では,正定値実対称行列全体からなる正則凸錐への線形埋め込みを用いて指数型確率分布族を構成し,そのFisher情報計量を使ってある種の消滅定理を得た. これらの諸結果は裳華房から「ヘッセ幾何学」と題する単行本として刊行され,類書のないこの分野唯一の参考図書とされている.
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