研究概要 |
リー群Gが例外群F4,E6,E7,E8でp=3の場合や、GがE8でp=5の場合にはGの整係数コホモロジーはp torsionを持ち、その分類空間のmod pコホモロジーはその計算がなされている場合も計算結果そのものが複雑であるかあるいは計算そのものがいまだなされていないかである。また、リー群の分類空間のmod pコホモロジーに関してはAdamsの予想としていわゆるQuillenの準同形がpが奇素数の場合に単射になるという予想があるが、このような形で分類空間のmod pコホモロジーが計算できればその結果は以前の計算よりも望ましい形になると考えられる。またこれらの例外リー群の分類空間のmod pコホモロジーの研究ではcotorsion productをE2項とするRothenberg-Steenrodスペクトル系列が重要な役割を果たしてきている。今回の研究成果としては、ある種の不変式環の生成元の次数の計算(これはMathematica等のコンピュータを用いた計算で確認ができる)によりp=3,G=F4,E6,E7,p=5,G=E8の場合にはRothenberg-Steenrodスペクトル系列がE2レベルで退化しさらに上のAdamsの予想は成り立つこと、p=3,G=E8の場合にはmodpコホモロジーへ収束するRothenberg-Steenrodスペクトル系列はE2レベルでは退化しないことを示すことができることがわかった。また、ある種のcotorsion productの計算は巡回群のコホモロジーの計算と同じになることがわかった。この種の計算の変分問題とも深く関係するループ群の分類空間のコホモロジーへの応用が期待される。
|