研究概要 |
一端が構造力学的な支点で支えられた半直線の棒が弾性運動をしている.この運動は4階の編微分方程式 ∂_tu(t, x)=-∂^4_xu(t, x) t>0,x>0 ∂^j_xu(t,0)=0 ∂^k_x(t,0)=0 t>0, で記述される.構造力学的な支点として,4種類が知られているが,どの支点を与えるかにより(j, k)の値は決定される: (j, k)=(0,1);固定端, (j, k)=(0,2);蝶番端, (j, k)=(1,3);スライド端, (j, k)=(2,3);自由端. 我々は,半直線上の重調和擬過程を考え,その"確率過程としての境界条件"と,"(j, k)で表される微分方程式の境界条件"との対応を調べた. 重調和擬過程は,単極子と双極子の2種類の粒子の運動と見なせるが,我々は"高次の反射"という粒子の挙動を導入することにより,粒子の吸収/反射の組み合わせが,それぞれの構造力学的支点に1:1に対応することが判った: 固定端=単極子,双極子とも吸収,蝶番端=単極子は吸収,双極子は反射, スライド端=単極子は高次の反射,双極子は吸収,自由端=単極子は高次の反射,双極子は反射. この1:1対応から,それらの支点で支えられた棒の詳しい挙動が粒子の運動として,目に見える形で説明でき,応用上重要な数値解析の新たな展望が得られた.
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